金竹小

金竹小の歴史と影響

金竹小（こんちくしょう）とは、日本の自民党において1980年代後半から1990年代初頭にかけて、経世会という派閥の重要な指導者たちを指す言葉です。この名称は、当時の幹部であった金丸信、竹下登、小沢一郎の頭文字を取ったもので、彼らは「ニューリーダー」世代の象徴的存在とされていました。

経世会の台頭

1989年の政治情勢の中で、宇野宗佑が総理大臣に就任しました。この年の6月には、金丸は視野に入れていた政権において小沢を事務総長に指名する一方、ライバルの梶山静六を通産相として入閣させることによって、特定のポジションにおける権限の調整を行いました。この動きは、金丸派への徐々な変化を示していました。

その後、1989年7月に行われた参院選で自民党が過半数を割るという事態が起き、党内の政治力学は一層複雑になりました。このような中で、金丸は小沢を自らの意向で幹事長に推薦し、その影響力を強めようとしました。しかし、竹下は未だ自己の派閥の重要性を認識しており、抗う姿勢を見せました。結果として、竹下派内の調整役として安倍晋太郎が活動を始め、小沢の起用を推進しました。

政権運営と三者の関係

金丸は、党幹事長の小沢を公明党や民社党との折衝に充て、政権運営を円滑に進めるための戦略を構築しました。この戦略が成功を収める中、海部俊樹は小沢を幹事長に選任することになり、彼自身も金丸や田中角栄からの信任を期待していました。こうした背景の中で、三者は互いに支え合いながら日本の政治の流れを形成していきました。

しかし、世代交代に対して否定的だった竹下と小沢の間に摩擦が生じ、次第に亀裂が広がっていきました。ともに権力を持つことで均衡が保たれていたものの、小沢が金丸の後押しを受けた後継者出馬を模索する中で、金丸の影響力が後退する兆しが見え始めました。また、小沢が他派の宮澤喜一を推したことも、竹下派内の反発を招く原因となったのです。

結末と派閥の分裂

1992年、金丸は東京佐川急便事件に関連して衆議院議員を辞職し、竹下派会長の地位も退くことになりました。この出来事は、金竹小の関係を一変させ、最後には経世会が分裂へと向かうこととなりました。加えて、金竹小という語は、彼らの派閥が持つ権力を揶揄する意味を持つとも言われており、多くの人々によって語られるようになりました。

さらに、浜田幸一は『金竹小』という名称が単に語呂が良いからと指摘し、金丸と竹下の関係の本質を浮き彫りにしました。金丸自身も、時折「俺は雇われマダムだ」といった言葉を漏らすことで、俯瞰的な位置での自己認識を示していたと伝えられています。

これらの出来事は、金竹小という派閥がいかにして日本の政治の形成に寄与していたかを物語るものであり、その後の政治的動向にも大きな影響を与える結果となりました。

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