金聖響

金聖響（きむ せいきょう）

金聖響は、1970年に大阪で生まれた在日韓国人3世の指揮者です。14歳の時にアメリカへ渡り、後にボストン大学で哲学を学びました。1995年にはニューイングランド音楽院で指揮科の修士号を取得し、その後ウィーン国立音楽大学でさらなる研鑽を積みました。また、タングルウッド音楽祭においては、著名な指揮者である小澤征爾の指導を受け、音楽の技術を磨きました。

金は特に「ピリオド奏法」に関心を持ち、古楽の演奏スタイルを現代楽器で再現することに情熱を注いでいます。この手法は古楽の演奏をより深く理解するための鍵となっています。彼は日本国内だけでなく、パリや韓国をはじめとする世界各地でも活躍しており、オーケストラ・アンサンブル金沢やシエナ・ウインド・オーケストラといった団体との共演も行っています。

1998年にはニコライ・マルコ国際指揮者コンクールで優勝し、その後はパシフィック・ミュージック・フェスティバルなどの音楽祭でも多くの実績を上げました。国内外の様々なオーケストラへの客演も行い、デンマーク国立放送交響楽団やソウル市立交響楽団、さらにはフランダース交響楽団といったチームを指揮し、高い評価を得ています。

彼のキャリアは、1998年に音楽事務所クリスタルアーツに所属したことで新たな一歩を踏み出しました。2006年には株式会社IMXと契約し、ドラマ「冬のソナタ」のコンサートで指揮を担当するなど、多方面で活躍しました。2009年からは神奈川フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者として多くの作品に取り組み、2012年にはオーケストラ・アンサンブル金沢のアーティスティック・パートナーに就任しました。

彼は名作の録音プロジェクトにも力を入れており、ベートーヴェンやブラームスの交響曲全集を完結させています。これらの録音は、彼がどれほど真剣に音楽と向き合わせているかを物語っています。

年譜のハイライト

• - 1995年: ポルトガルで開催された若手指揮者コンクールで最高位を受賞。
• - 1998年: ニコライ・マルコ国際指揮者コンクール優勝。音楽事務所クリスタルアーツに所属。
• - 2003年: 大阪センチュリー交響楽団の専任指揮者に就任。
• - 2009年: 神奈川フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者就任。
• - 2010年: フランダース交響楽団の首席指揮者。

主な著作

• - ベートーヴェンの交響曲（講談社現代新書、2007年）
• - ロマン派の交響曲（講談社現代新書、2009年）
• - マーラーの交響曲（講談社現代新書、2011年）

金聖響の音楽活動は、彼の情熱と技術に裏打ちされており、今後の活躍も多くの人々から注目されています。

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