金蔵寺 (朝来市)

金蔵寺について

金蔵寺（こんぞうじ）は、兵庫県朝来市生野町口銀谷に位置する、真宗本願寺派の寺院です。山号は生宝山で、本尊には阿弥陀如来が祀られています。寺院は、生野市街地の北側にある寺町通りに立地しており、地域の歴史や文化に深く根ざしています。

歴史

金蔵寺の創建は、永久元年（1113年）にさかのぼります。当初、権大僧都の智山によって設立され、真言宗の寺院としての役割を果たしていました。しかし、承元年間（1207年～1211年）には一時廃れてしまったのです。

その後、寛喜2年（1230年）になると、播磨国印南郡の領主である原伊賀守正信の息子、讃岐が僧侶として金蔵寺を復興させました。讃岐は、貞永元年（1232年）に京都にて親鸞聖人に直接お会いし、正圓という名を受け取り、阿弥陀如来の像も授けられました。このような歴史的経緯から、金蔵寺は真宗本願寺派として知られるようになりました。

さらに、2005年（平成17年）には本堂の建て替えも行われ、新しい寺院の姿が現れました。このように、金蔵寺は長い歴史を経て、地域の信仰を集める場所であり続けています。

文化財

金蔵寺には、貴重な文化財がいくつか存在します。その中でも特に重要なのが、県指定文化財に登録されている「銅鐘」です。この銅鐘は、鎌倉時代の文永4年（1267年）に因幡国（現・鳥取県鳥取市）の最勝寺において鋳造されたもので、因幡国の銘が刻まれており、当時の木造寺院にとって貴重な歴史的資料とされています。

この銅鐘は、重厚感やその形状に鎌倉時代中期の特徴を色濃く残しています。その後、いくつかの場所を経て元和元年（1615年）に金蔵寺に奉納され、その変遷が鐘の表面に彫り込まれていることからも、その歴史的価値がわかります。1942年には国の重要美術品にも指定され、太平洋戦争中の金属供出令による影響を受けても、他の寺院の鐘と異なり、金蔵寺の銅鐘は文化財としての価値から供出を免れました。現在も但馬地方に残る最古の銅鐘として、この地に君臨しています。

寺町通り

金蔵寺が所在する寺町通りには、他にも8つの寺院が集まっており、それぞれ異なる宗派が存在するのが特徴的です。具体的には、±来迎寺（浄土宗西山禅林寺派）、東西寺（浄土宗知恩院派）、西福寺（浄土宗西山禅林寺派）、教徳寺（真宗大谷派）、禅操寺（臨済宗妙心寺派）、妙詮寺（本門佛立宗）、本行寺（日蓮宗）などがあります。これらの寺院が集まり、地域の精神的なシンボルともなっています。

所在地とアクセス

金蔵寺の正確な所在地は、兵庫県朝来市生野町口銀谷932番地です。最寄りのJR播但線生野駅からは徒歩でアクセス可能で、地域の散策にも適した場所に位置しています。

参照情報

金蔵寺についての詳細や歴史的な文献は『朝来志 巻3』にまとめられており、1903年に木村発によって発行されました。また、公式ウェブサイトや地域資源を利用することで、より深く金蔵寺の魅力に触れることが可能です。

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