鈴木敬

鈴木 敬（すずき けい）

鈴木敬は、1920年12月16日に静岡県伊東市で誕生し、2007年10月18日に逝去した日本の著名な美術学者です。専門は中国絵画史であり、長年にわたり日本の美術界に多大な貢献を果たしました。東京大学の名誉教授であり、日本学士院に所属する学者でもありました。彼は、勲二等瑞宝章を受章し、紫綬褒章や日本学士院賞など、多くの栄誉を手にしました。

生い立ちと学歴

鈴木は1944年に東京帝国大学文学部美学美術史を卒業。その後、兵役を経て1946年に復員します。彼の学問の旅はこの時期から始まり、後に美術史家としての道を歩むこととなります。

美術史家としてのキャリア

1949年に国立博物館に国の文部技官として入職します。その後、1952年に文化財保護委員会の事務局にて美術工芸品課に勤務し、1959年には東京芸術大学美術学部の専任講師に就任しました。1960年には助[[教授]]として昇進し、1965年には東京大学東洋文化研究所助[[教授]]に任命されます。そして1967年には同研究所の教授となり、1970年から1972年まで所長を務めました。1981年に定年退官を迎え、名誉教授に就任しました。

また、1975年から1978年まで美術史学会の代表委員を務めるなど、さまざまな役割を果たしています。1986年には静岡県立美術館の館長に就任し、美術界で大きな存在感を示しました。1990年には日本学士院の会員に選出され、その専門性が広く認められました。

受賞歴と業績

鈴木は、1984年に紫綬褒章を受章し、翌年には日本学士院賞を受賞しました。また、1988年1月には皇居で行われた「講書始」で、「日本に伝存した中国画の一断面と日本絵画」について講演を行いました。1991年には勲二等瑞宝章を受章し、彼の業績が公に評価されることとなります。

主な著書

鈴木敬の著作には、中国絵画に関する詳細な研究が多く含まれています。代表的な著書には、『明代絵画史研究・浙派』（1968年）、『中国絵画史 上』（1981年）、『中国絵画史 中之1』（1984年）、『中国絵画史 中之2』（1988年）、『中国絵画史 下』（1995年）などがあり、これらは新装版として2011年に再出版されました。さらに、共著も多く、例えば『美術カード 13 東洋・中国・絵画』（1956年）、『東洋美術史要説 下 中国・朝鮮篇』（1960年）、『中国絵画総合図録』全5巻（1982年-1983年）などがあります。

記念論集

鈴木の業績を記念する論集として、1981年に『中国絵画史論集 鈴木敬先生還暦記念』が出版され、彼の学問的功績を後世に伝える文献となっています。

彼の学問的影響は、現在でも多くの研究者や学生に引き継がれており、鈴木敬の名前は美術学の分野において長く記憶され続けるでしょう。彼の徹底した研究と人柄は、多くの人々に尊敬され、今もなお多くの学びの源となっています。

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