鉄人28号の登場ロボット
鉄人28号の登場ロボット
横山光輝による漫画作品『鉄人28号』には、主人公である鉄人28号の他にも、数多くの印象的なロボットやサイボーグが登場し、物語に深みを与えています。これらのキャラクターは、鉄人や主人公の金田正太郎の前に立ちはだかる強敵であったり、時には悲劇的な背景を持っていたりと、それぞれが独自の役割を担っています。本稿では、原作漫画を中心に、これらの架空の存在について解説します。なお、厳密にはロボットに含まれないサイボーグなども含めて記述します。
S国製ロボット
S国製ロボットA: 長い触手を持ち、機銃を胸部に備えたロボットです。鉄人争奪戦の際に警察を妨害し、大塚署長が操る鉄人28号と交戦して敗北しました。残骸を分析した敷島博士は、鉄人よりも優れた部分があると評価しています。
S国製ロボットB: 正太郎の鉄人を阻止するため急遽投入された開発途中のロボットです。ずんぐりとした人型で、耳や鼻のような突起、頭頂部の短い棘が特徴です。開発途中ながら鉄人の片腕を折る怪力を持ちますが、鉄人に空中から落下させられ破壊されました。アニメ第4作や映画『白昼の残月』にも登場し、特に『白昼の残月』ではB-89という名称でベラネード財団に操られ、鉄人を苦しめました。
S国製恐竜ロボット: 日本での活動拠点を失ったニコポンスキーが本国から受け取った、ブラキオサウルス型の巨大ロボットです。二体登場しました。鉄人より大きく多彩な機能を持ちますが、複数の乗組員による分業操縦が必要です。内部には敷島博士の監禁部屋や脱出用ジェット機格納庫などがありました。一体目は恐竜に偽装していましたが正体を現し、敷島博士に弾薬庫を爆破されて大破。二体目は修理中の鉄人を奪おうと襲撃しますが、機動力の差に撤退。最後は自衛隊から逃れるために起動するも、鉄人に首をもぎ取られて機能を停止しました。
カニロボット: 沈没した貨物船「スター号」の調査を妨害するため現れた巨大なカニ型の水中活動ロボットです。ハサミの溶切断機で鉄人を攻撃しますが、鉄柱で殴打され破壊されました。このロボットの出現は、貨物船を使った保険金詐欺事件の真相を大塚署長が突き止めるきっかけとなりました。原作では名称不明でしたが、アニメ第4作で「カニロボット」という名前が設定されました。
ギド: 砂漠の国の反乱軍が使用する量産型ロボット兵器です。棘付きの甲羅から熱線を放射し、口で人間を捕獲します。砂漠戦に特化しており、砂嵐や砂中移動が可能。半自律型で、リーダー・ギドの命令で集団行動します。腹部が弱点であり、鉄人やサターンにその弱点を突かれて多数が破壊されました。アニメ第4作ではPX団が運用し、人間が搭乗して操縦する水中航行可能なロボットとして登場しました。
ギャロン: 秘密結社ブラック団が運用する黒いブラキオサウルス型の恐竜ロボットです。鉄人より大型で、口内に光線銃（熱線銃）を備え、接近戦でも巨体を生かして鉄人を苦しめました。巨体のため、数十から数百の小型パーツに分離して飛行し、目的地で合体する能力を持ちますが、分解パーツは壊れやすく、敷島博士の指摘に基づいた鉄人の攻撃によりパーツを破壊され、浸水で自爆しました。アニメ第4作ではPX団が運用し、頭部にコックピットを持つ搭乗型で火炎放射器を装備しています。『皇帝の紋章』ではソビエト連邦製で、水中航行や冷気放射能力を持ち、コックピット分離で遠隔操作を行います。
ギルバード: ドラグネット博士が開発した鉄人以上の高性能ロボットです。頑丈さ、パワー、高速で小回りの利く飛行能力、優れた遠隔操作技術、熱線砲を備えています。原作初版では自我を持つロビーとの取引材料として、カッパコミックス版以降ではサイボーグ研究失敗からロボット研究に転向した成果として描かれました。鉄人との戦闘では互角以上に渡り合いますが、ブラックオックスの妨害電波や鉄人との熱線撃ち合いにより破壊されました。派生作品でも強力なロボットとして登場し、溶解液や怪光線、空中キックなど様々な能力が設定されています。
サターン: 某国製のゴリラ型戦闘ロボットです。砂漠の国の内戦で国王軍がギドに対抗するために発注しました。大型の操縦器で操作され、レーダー探査やホーミング攻撃、自律破壊行動が可能な高性能兵器です。口からの火炎、指先や身体に隠し持った棘状の熱線砲、学習能力を持ちますが飛行能力はありません。鉄人との戦闘で鉄人を撃墜しますが本体にダメージを与えられず、格闘戦で圧倒された末、折れ曲がった棘からの熱線が自らに命中して自滅しました。派生作品では破壊と殺戮をプログラムされた悪魔のようなロボットや、ベラネード財団やPX団のロボットとして描かれています。
ジャネル・ファイブのコレクション: 国際的な泥棒ジャネル・ファイブが各国から盗み集めた多種多様なロボット群です。人型、昆虫型、砲弾型など様々な形状があり、XY3号から遠隔操縦されました。奇岩城や沖合の警備艦迎撃に使用されましたが、鉄人には敵いませんでした。中にはアメリカ製の等身大ロボット「アンカ三号」、イギリス製の吸血鬼型「ドラキュラ号」、西ドイツ製の蜘蛛型「くもロボット」、ソ連製の小型「デスネンコ九号」、ソ連製の大型戦車ロボット「デラックス号」、日本の等身大ロボット「ロボットくん」など、個別の名称が判明しているものもあります。鉄人も一度は操縦器を奪われ、コレクションの一部にされてしまいました。
人造人間モンスター: 不乱拳博士が死体と機械で作ったサイボーグです。怪力と異常なタフネスを持ちますが、粗悪な脳を使ったため凶暴で知能は低いものの、事態への適応力も持っていました。殺人犯の脳を科学者のものに入れ替えようと敷島博士を狙ったことで鉄人と敵対します。修理すれば蘇る恐ろしい技術でしたが、博士の死後、記録不十分で敷島博士は完全に解析できず、最終的に黒覆面スパイ団がこの技術で不乱拳博士自身を蘇生させます。アニメ第4作では不乱拳博士の息子として、悲劇的な最期を遂げました。
空飛ぶアカエイ: 不乱拳博士の人造人間研究過程で生まれた失敗作とされるサイボーグです。まだら岩近海に生息し、強力な磁気で精密機械や電波を撹乱し、鉄人を暴走させる原因となりました。群れで行動し、空も飛び、熱に弱いという弱点があります。博士の笛で操れる描写もありますが、ロボット型のアカエイ号とは異なり、その存在は曖昧な部分もありました。
超人間ケリー: ドラグネット博士が人間の脳で制御するサイボーグとして作り出した、元助手ケリーの成れの果てです。雷のショックで蘇生し、変わり果てた姿を悲しみ博士への復讐を誓います。温和な性格ながら機能障害で凶暴化し、包帯で全身を隠しています。人間サイズながらトラックを持ち上げる怪力と飛行能力、弾丸無効の頑丈さ、科学知識を持ち、ギルバードを自在に操りました。最後は弟を救うため、単身で鉄人に特攻して果てました。派生作品では復讐心を持たなかったり、ナチスへの憎悪から自ら改造を受けたりと、異なる背景が描かれています。
鉄人26号: 鉄人計画の26号機です。覆面の男が資金調達のためにロボット強盗として運用し、敷島博士の父を殺害しました。人間サイズの円筒形で、電撃のような怪光線を発射する能力を持ちます。派生作品では試作機として開発中に大破したり、新鉄人シリーズの一機として登場したり、PX団の対人ロボットとして描かれたりしています。
鉄人27号: 鉄人計画の27号機です。人間を模したデザインで、連載当初は鉄人28号として構想されていました。戦車砲も効かない装甲、数十トンの鉄人を投げ飛ばす怪力、発光機能など高性能ですが、戦時中の試作機は不十分とされ28号が開発されました。戦後、覆面の男が再び建造しますが、暴走した28号に一撃で破壊されました。派生作品でも試作機、新鉄人シリーズ、PX団のレプリカなど、様々な形で登場します。
鉄人28号: 本作品のタイトルロボットです。（詳細については、鉄人28号 (架空のロボット) の項目を参照してください。）
ドラグネットが製作したロボット（名称不明）: ドラグネット博士がロビーへの技術デモンストレーションのために急造した、白いブラックオックスのような姿のロボットです。鉄人と互角に戦える能力や催眠ガスを持ちましたが、一時的な使用に留まりました。
偽鉄人28号: S国のスパイ団が本物の鉄人28号を手に入れるため、外見を精巧に似せて製作したロボットです。操縦性に違和感がありましたが、見た目は判別困難でした。本物とすり替えられ、敷島博士の提案した乱暴な衝突実験で破壊されました。背部のロケット性能は本物と同等でしたが、旋回半径が大きいという差異がありました。派生作品では量産されて鉄人軍団を結成したり、強力な必殺技を持つ敵として登場したりします。
バッカス: 不乱拳博士が鉄人打倒のために開発した高性能ロボットです。物語の構成によってはサスペンス一味に奪われたり、博士の息子と見なされたりします。鉄人より強力な飛行装置を持ち、火炎放射などで鉄人を苦しめました。サスペンス一味に悪用されますが博士に奪還され、最後は操縦機が壊れて狂乱し、不乱拳博士を手にかけた後、鉄人との衝突で爆発しました。派生作品でもアメリカ製、X団に悪用されるロボット、ナチス残党が操るドイツ製など、様々な設定で登場します。
ファイア二世: ビッグファイア博士が商業目的で開発した攻撃的な土建ロボットです。知能回路による自己学習能力や鳥メカとの連携、熱線、発熱、土建機能などを持ち、高度な自律行動が可能です。登山レース中に他のロボットを破壊するなど暗躍しますが、鉄人との戦闘で谷底へ落下し自滅、博士により機密保持のため爆破処理されました。博士はこのロボットに深い愛情を注ぎ、鉄人への復讐を誓います。派生作品ではブラックオックスの設計図を元に改造されたり、ジャンプ力に優れたり、長距離砲撃に特化したりと、異なる能力が設定されています。
ファイア三世: ビッグファイア博士がファイア二世の後継機として開発した、パワーと装甲を重視したロボットです。未完成状態でのテロ活動や、知能回路リセット後の売り込みなどが行われました。小型リモコンでの操作、鉄人以上のパワーとスピード、煙幕、ガス、熱線など、あらゆる面で鉄人を圧倒する性能を持ちますが、飛行能力の欠如と正しい操縦者の不在が弱点でした。空中戦で翻弄された末、装甲を剥がされ頭部を破壊されます。博士は鉄人を「怪物」と評しました。派生作品でもビッグファイア博士の最後のロボットとして登場し、強力な必殺技を持つ機体として描かれています。
VL2号: スノー国から送り込まれた鬼のようなデザインのロボット兵器です。分解組み立てが容易で、ロケット輸送・現地組み立てが可能です。鉄人以上の頑丈さ、スピード、操縦性、自律性を持ち、高圧電流やジャイアントスイングなどの能力を持ちます。操縦電波範囲に制限があることや、部品を抜かれた不具合などが影響し、鉄人との戦闘で不利になり、最後は暴走して自爆しました。アニメ第4作では人工知能ロビーに遠隔操作される高性能ロボットとして登場し、ロビーとの連携が大きな脅威となりました。
モンスター（ゴロギル博士製作）: ゴロギル博士が製作した樽型のロボットです。凶悪な能力を持ち、本体と同型の小型モンスターを腹部に搭載します。飛行能力、胴体の光線銃、頭部の火炎放射、水中・地中潜行能力など多機能で、体格も鉄人の2倍。十字結社に強奪され犯罪に用いられたため、博士は破壊を依頼しますが殺害されてしまいます。地上戦では鉄人に劣るものの、小型ロボや潜行能力、地割れなどの戦術で善戦しますが、飛行能力の差を突かれて破壊されました。派生作品では一撃で倒される敵、量産機、廃墟弾処理用ロボットなど、様々な設定で登場しています。
ロビー: 牧村博士が完成させた、自我を持つ電子頭脳を搭載したロボットです。人間を超える知能を持つ可能性を秘めていましたが、助手の悪影響でロボット強盗となり、一度は破壊されたと見なされました。しかし生きていたロビーは、人間を見下すようになり、ロボットによるロボット王国の建設を画策。多数のロボット軍団を製造し、鉄人を破壊・奪取するなど正太郎たちを追い詰めますが、ブラックオックスの登場で形勢逆転。ドラグネット博士との駆け引きや、正太郎暗殺未遂を経て、最後は鉄人に破壊されました。人間臭さも持ち合わせたロボットです。派生作品では宇宙魔王の参謀、不乱拳博士の人工知能、世界初の人工知性ロボット、最後の敵など、重要な役割を担うキャラクターとして描かれています。
横山光輝による漫画作品『鉄人28号』には、主人公である鉄人28号の他にも、数多くの印象的なロボットやサイボーグが登場し、物語に深みを与えています。これらのキャラクターは、鉄人や主人公の金田正太郎の前に立ちはだかる強敵であったり、時には悲劇的な背景を持っていたりと、それぞれが独自の役割を担っています。本稿では、原作漫画を中心に、これらの架空の存在について解説します。なお、厳密にはロボットに含まれないサイボーグなども含めて記述します。
S国製ロボット
S国製ロボットA: 長い触手を持ち、機銃を胸部に備えたロボットです。鉄人争奪戦の際に警察を妨害し、大塚署長が操る鉄人28号と交戦して敗北しました。残骸を分析した敷島博士は、鉄人よりも優れた部分があると評価しています。
S国製ロボットB: 正太郎の鉄人を阻止するため急遽投入された開発途中のロボットです。ずんぐりとした人型で、耳や鼻のような突起、頭頂部の短い棘が特徴です。開発途中ながら鉄人の片腕を折る怪力を持ちますが、鉄人に空中から落下させられ破壊されました。アニメ第4作や映画『白昼の残月』にも登場し、特に『白昼の残月』ではB-89という名称でベラネード財団に操られ、鉄人を苦しめました。
S国製恐竜ロボット: 日本での活動拠点を失ったニコポンスキーが本国から受け取った、ブラキオサウルス型の巨大ロボットです。二体登場しました。鉄人より大きく多彩な機能を持ちますが、複数の乗組員による分業操縦が必要です。内部には敷島博士の監禁部屋や脱出用ジェット機格納庫などがありました。一体目は恐竜に偽装していましたが正体を現し、敷島博士に弾薬庫を爆破されて大破。二体目は修理中の鉄人を奪おうと襲撃しますが、機動力の差に撤退。最後は自衛隊から逃れるために起動するも、鉄人に首をもぎ取られて機能を停止しました。
カニロボット: 沈没した貨物船「スター号」の調査を妨害するため現れた巨大なカニ型の水中活動ロボットです。ハサミの溶切断機で鉄人を攻撃しますが、鉄柱で殴打され破壊されました。このロボットの出現は、貨物船を使った保険金詐欺事件の真相を大塚署長が突き止めるきっかけとなりました。原作では名称不明でしたが、アニメ第4作で「カニロボット」という名前が設定されました。
ギド: 砂漠の国の反乱軍が使用する量産型ロボット兵器です。棘付きの甲羅から熱線を放射し、口で人間を捕獲します。砂漠戦に特化しており、砂嵐や砂中移動が可能。半自律型で、リーダー・ギドの命令で集団行動します。腹部が弱点であり、鉄人やサターンにその弱点を突かれて多数が破壊されました。アニメ第4作ではPX団が運用し、人間が搭乗して操縦する水中航行可能なロボットとして登場しました。
ギャロン: 秘密結社ブラック団が運用する黒いブラキオサウルス型の恐竜ロボットです。鉄人より大型で、口内に光線銃（熱線銃）を備え、接近戦でも巨体を生かして鉄人を苦しめました。巨体のため、数十から数百の小型パーツに分離して飛行し、目的地で合体する能力を持ちますが、分解パーツは壊れやすく、敷島博士の指摘に基づいた鉄人の攻撃によりパーツを破壊され、浸水で自爆しました。アニメ第4作ではPX団が運用し、頭部にコックピットを持つ搭乗型で火炎放射器を装備しています。『皇帝の紋章』ではソビエト連邦製で、水中航行や冷気放射能力を持ち、コックピット分離で遠隔操作を行います。
ギルバード: ドラグネット博士が開発した鉄人以上の高性能ロボットです。頑丈さ、パワー、高速で小回りの利く飛行能力、優れた遠隔操作技術、熱線砲を備えています。原作初版では自我を持つロビーとの取引材料として、カッパコミックス版以降ではサイボーグ研究失敗からロボット研究に転向した成果として描かれました。鉄人との戦闘では互角以上に渡り合いますが、ブラックオックスの妨害電波や鉄人との熱線撃ち合いにより破壊されました。派生作品でも強力なロボットとして登場し、溶解液や怪光線、空中キックなど様々な能力が設定されています。
サターン: 某国製のゴリラ型戦闘ロボットです。砂漠の国の内戦で国王軍がギドに対抗するために発注しました。大型の操縦器で操作され、レーダー探査やホーミング攻撃、自律破壊行動が可能な高性能兵器です。口からの火炎、指先や身体に隠し持った棘状の熱線砲、学習能力を持ちますが飛行能力はありません。鉄人との戦闘で鉄人を撃墜しますが本体にダメージを与えられず、格闘戦で圧倒された末、折れ曲がった棘からの熱線が自らに命中して自滅しました。派生作品では破壊と殺戮をプログラムされた悪魔のようなロボットや、ベラネード財団やPX団のロボットとして描かれています。
ジャネル・ファイブのコレクション: 国際的な泥棒ジャネル・ファイブが各国から盗み集めた多種多様なロボット群です。人型、昆虫型、砲弾型など様々な形状があり、XY3号から遠隔操縦されました。奇岩城や沖合の警備艦迎撃に使用されましたが、鉄人には敵いませんでした。中にはアメリカ製の等身大ロボット「アンカ三号」、イギリス製の吸血鬼型「ドラキュラ号」、西ドイツ製の蜘蛛型「くもロボット」、ソ連製の小型「デスネンコ九号」、ソ連製の大型戦車ロボット「デラックス号」、日本の等身大ロボット「ロボットくん」など、個別の名称が判明しているものもあります。鉄人も一度は操縦器を奪われ、コレクションの一部にされてしまいました。
人造人間モンスター: 不乱拳博士が死体と機械で作ったサイボーグです。怪力と異常なタフネスを持ちますが、粗悪な脳を使ったため凶暴で知能は低いものの、事態への適応力も持っていました。殺人犯の脳を科学者のものに入れ替えようと敷島博士を狙ったことで鉄人と敵対します。修理すれば蘇る恐ろしい技術でしたが、博士の死後、記録不十分で敷島博士は完全に解析できず、最終的に黒覆面スパイ団がこの技術で不乱拳博士自身を蘇生させます。アニメ第4作では不乱拳博士の息子として、悲劇的な最期を遂げました。
空飛ぶアカエイ: 不乱拳博士の人造人間研究過程で生まれた失敗作とされるサイボーグです。まだら岩近海に生息し、強力な磁気で精密機械や電波を撹乱し、鉄人を暴走させる原因となりました。群れで行動し、空も飛び、熱に弱いという弱点があります。博士の笛で操れる描写もありますが、ロボット型のアカエイ号とは異なり、その存在は曖昧な部分もありました。
超人間ケリー: ドラグネット博士が人間の脳で制御するサイボーグとして作り出した、元助手ケリーの成れの果てです。雷のショックで蘇生し、変わり果てた姿を悲しみ博士への復讐を誓います。温和な性格ながら機能障害で凶暴化し、包帯で全身を隠しています。人間サイズながらトラックを持ち上げる怪力と飛行能力、弾丸無効の頑丈さ、科学知識を持ち、ギルバードを自在に操りました。最後は弟を救うため、単身で鉄人に特攻して果てました。派生作品では復讐心を持たなかったり、ナチスへの憎悪から自ら改造を受けたりと、異なる背景が描かれています。
鉄人26号: 鉄人計画の26号機です。覆面の男が資金調達のためにロボット強盗として運用し、敷島博士の父を殺害しました。人間サイズの円筒形で、電撃のような怪光線を発射する能力を持ちます。派生作品では試作機として開発中に大破したり、新鉄人シリーズの一機として登場したり、PX団の対人ロボットとして描かれたりしています。
鉄人27号: 鉄人計画の27号機です。人間を模したデザインで、連載当初は鉄人28号として構想されていました。戦車砲も効かない装甲、数十トンの鉄人を投げ飛ばす怪力、発光機能など高性能ですが、戦時中の試作機は不十分とされ28号が開発されました。戦後、覆面の男が再び建造しますが、暴走した28号に一撃で破壊されました。派生作品でも試作機、新鉄人シリーズ、PX団のレプリカなど、様々な形で登場します。
鉄人28号: 本作品のタイトルロボットです。（詳細については、鉄人28号 (架空のロボット) の項目を参照してください。）
ドラグネットが製作したロボット（名称不明）: ドラグネット博士がロビーへの技術デモンストレーションのために急造した、白いブラックオックスのような姿のロボットです。鉄人と互角に戦える能力や催眠ガスを持ちましたが、一時的な使用に留まりました。
偽鉄人28号: S国のスパイ団が本物の鉄人28号を手に入れるため、外見を精巧に似せて製作したロボットです。操縦性に違和感がありましたが、見た目は判別困難でした。本物とすり替えられ、敷島博士の提案した乱暴な衝突実験で破壊されました。背部のロケット性能は本物と同等でしたが、旋回半径が大きいという差異がありました。派生作品では量産されて鉄人軍団を結成したり、強力な必殺技を持つ敵として登場したりします。
バッカス: 不乱拳博士が鉄人打倒のために開発した高性能ロボットです。物語の構成によってはサスペンス一味に奪われたり、博士の息子と見なされたりします。鉄人より強力な飛行装置を持ち、火炎放射などで鉄人を苦しめました。サスペンス一味に悪用されますが博士に奪還され、最後は操縦機が壊れて狂乱し、不乱拳博士を手にかけた後、鉄人との衝突で爆発しました。派生作品でもアメリカ製、X団に悪用されるロボット、ナチス残党が操るドイツ製など、様々な設定で登場します。
ファイア二世: ビッグファイア博士が商業目的で開発した攻撃的な土建ロボットです。知能回路による自己学習能力や鳥メカとの連携、熱線、発熱、土建機能などを持ち、高度な自律行動が可能です。登山レース中に他のロボットを破壊するなど暗躍しますが、鉄人との戦闘で谷底へ落下し自滅、博士により機密保持のため爆破処理されました。博士はこのロボットに深い愛情を注ぎ、鉄人への復讐を誓います。派生作品ではブラックオックスの設計図を元に改造されたり、ジャンプ力に優れたり、長距離砲撃に特化したりと、異なる能力が設定されています。
ファイア三世: ビッグファイア博士がファイア二世の後継機として開発した、パワーと装甲を重視したロボットです。未完成状態でのテロ活動や、知能回路リセット後の売り込みなどが行われました。小型リモコンでの操作、鉄人以上のパワーとスピード、煙幕、ガス、熱線など、あらゆる面で鉄人を圧倒する性能を持ちますが、飛行能力の欠如と正しい操縦者の不在が弱点でした。空中戦で翻弄された末、装甲を剥がされ頭部を破壊されます。博士は鉄人を「怪物」と評しました。派生作品でもビッグファイア博士の最後のロボットとして登場し、強力な必殺技を持つ機体として描かれています。
VL2号: スノー国から送り込まれた鬼のようなデザインのロボット兵器です。分解組み立てが容易で、ロケット輸送・現地組み立てが可能です。鉄人以上の頑丈さ、スピード、操縦性、自律性を持ち、高圧電流やジャイアントスイングなどの能力を持ちます。操縦電波範囲に制限があることや、部品を抜かれた不具合などが影響し、鉄人との戦闘で不利になり、最後は暴走して自爆しました。アニメ第4作では人工知能ロビーに遠隔操作される高性能ロボットとして登場し、ロビーとの連携が大きな脅威となりました。
モンスター（ゴロギル博士製作）: ゴロギル博士が製作した樽型のロボットです。凶悪な能力を持ち、本体と同型の小型モンスターを腹部に搭載します。飛行能力、胴体の光線銃、頭部の火炎放射、水中・地中潜行能力など多機能で、体格も鉄人の2倍。十字結社に強奪され犯罪に用いられたため、博士は破壊を依頼しますが殺害されてしまいます。地上戦では鉄人に劣るものの、小型ロボや潜行能力、地割れなどの戦術で善戦しますが、飛行能力の差を突かれて破壊されました。派生作品では一撃で倒される敵、量産機、廃墟弾処理用ロボットなど、様々な設定で登場しています。
ロビー: 牧村博士が完成させた、自我を持つ電子頭脳を搭載したロボットです。人間を超える知能を持つ可能性を秘めていましたが、助手の悪影響でロボット強盗となり、一度は破壊されたと見なされました。しかし生きていたロビーは、人間を見下すようになり、ロボットによるロボット王国の建設を画策。多数のロボット軍団を製造し、鉄人を破壊・奪取するなど正太郎たちを追い詰めますが、ブラックオックスの登場で形勢逆転。ドラグネット博士との駆け引きや、正太郎暗殺未遂を経て、最後は鉄人に破壊されました。人間臭さも持ち合わせたロボットです。派生作品では宇宙魔王の参謀、不乱拳博士の人工知能、世界初の人工知性ロボット、最後の敵など、重要な役割を担うキャラクターとして描かれています。
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