鉄道 (雑誌)

鉄道（雑誌）

『鉄道』は、1929年5月から1938年6月にかけて、模型電気鉄道研究会、模型鉄道社、国際鉄道社から発行された、日本初の鉄道趣味雑誌です。B5判サイズで、編集長は武田弥一郎が務めました。

創刊と発展

1929年、鉄道趣味者であり資産家であった平野平四郎の資金援助により創刊されました。当初は鉄道模型に関する記事が中心でしたが、次第に実物の鉄道に関する記事も増加していきました。当時の鉄道趣味雑誌としては珍しく、一般の流通ルートには乗らず、発行部数は最大でも500部程度と少数でした。主な販売先は、鉄道模型店や、東京・大阪にあった直営店でした。

終刊

戦時体制の悪化とそれに伴う用紙統制により、雑誌の発行が困難となり、1938年6月20日発行の第10巻105号をもって休刊、そのまま廃刊となりました。

編集長・武田弥一郎

武田弥一郎は、東京牛込で生まれました。幼少の頃から自宅周辺を走る市内電車や、牛込駅、飯田町駅の汽車を見て育ちました。1928年には、『子供の科学』主催の展覧会に入選。同時期に模型電気鉄道研究会を設立しました。1929年の『鉄道』創刊と同時に、牛込区新小川町に模型鉄道社を設立（1934年に国際鉄道社へ社名変更）。太平洋戦争中は、埼玉の大宮（現・さいたま市）へ疎開しました。1954年には、鉄道友の会の発起人の一人として設立に参加しました。

1959年、胃癌のため54歳で亡くなりました。

『鉄道』は、短い期間での廃刊となりましたが、その後の鉄道趣味界に大きな影響を与えた雑誌として、その名が残っています。

もう一度検索