鉄道に関する技術上の基準を定める省令

鉄道に関する技術上の基準を定める省令

「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」は、鉄道の安全な運行と技術の進歩を支える重要な国土交通省令です。鉄道営業法に基づき、鉄道の技術基準を詳細に定めています。

概要

この省令は、明治時代から存在した鉄道に関する複数の規則を統合し、2001年12月25日に公布、2002年3月31日に施行されました。従来の規則は、具体的な仕様を細かく規定するものでしたが、この省令への移行により、性能規定へと大きく転換しました。これは、規制緩和の流れと、鉄道事業者の自主性を尊重する考え方を反映したものです。

性能規定化により、鉄道事業者は、省令や関連規則の範囲内で、自社の状況に合わせた技術基準を策定し、国土交通大臣等に届け出る必要があります。国は、審査に必要な解釈基準を定め、事業者の取り組みをサポートしています。解釈基準に適合していれば、省令にも適合しているとみなされるため、多くの事業者が解釈基準に沿って施策を実施しています。ただし、解釈基準は法的拘束力を持たないため、事業者は独自の判断で技術基準を策定することも可能です。

構成

この省令は、全11章120条で構成されており、鉄道のあらゆる側面を網羅しています。

第一章：総則
第二章：係員
第三章：線路
軌間
線路線形
建築限界
施行基面の幅及び軌道中心間隔
線路構造
建築物
安全設備
線路標
第四章：停車場
停車場
車庫等
第五章：道路との交差
第六章：電気設備
電路設備
変電所等設備
電気機器等設備
雑則
第七章：運転保安設備
信号保安設備
保安通信設備
踏切保安設備
雑則
第八章：車両
車両限界
車両の重量等
車両の走行装置等
車体の構造及び車両の装置
車両の火災対策等
動力車を操縦する係員が単独で乗務する列車等の車両設備
第八章の二：その他の設備
第九章：施設及び車両の保全
第十章：運転
積載制限等
列車の運転
車両の運転
鉄道信号
第十一章：特殊鉄道

解釈基準

国土交通省鉄道局長が通知する解釈基準は、省令の内容を具体的に解釈し、鉄道事業者が技術基準を策定する際の指針となるものです。解釈基準に適合することで、省令への適合が認められるというメリットがある一方で、法的拘束力がないため、柔軟な対応も可能です。ただし、解釈基準によらない場合は、審査官の裁量により判断が異なる場合もあります。

関連情報

この省令は、中央新幹線や地下鉄等の旅客車にも関連しており、鉄道技術の発展とともに、常に変化していくことが求められます。e-Gov法令検索で最新の情報を確認することができます。

* 鉄道に関する技術上の基準を定める省令 - e-Gov法令検索

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