錆びたナイフ

錆びたナイフ

『錆びたナイフ』（さびたナイフ）は、1957年にリリースされた石原裕次郎の楽曲であり、翌年の1958年には同曲を主題歌として使用した日本映画が公開されました。映画は、彼の兄である石原慎太郎による原作小説を基に製作され、多くの観客に親しまれました。

楽曲について

この楽曲は、1957年の8月に、シングル「何とか言えよ」のB面に収録される形で発表されました。作詞は萩原四朗、作曲は上原賢六、編曲は福島正二によるものです。そのメロディと歌詞は、石川啄木の短歌に影響を受けたと言われており、特に感情豊かな表現が特徴です。

『錆びたナイフ』が映画の主題歌として使用されたこともあり、シングル盤は184万枚もの売り上げを記録する大ヒットとなりました。この楽曲は、石原裕次郎の力強い歌声とともに、物語のテーマを深く表現しています。

映画『錆びたナイフ』

映画『錆びたナイフ』は、1958年に公開され、日本のアクション映画の一つとして位置づけられています。日活が製作・配給を手掛け、監督は舛田利雄が務めました。

あらすじ

物語の舞台は、西日本にある新興工業都市です。検事の狩田は、殺人事件の容疑者として運輸会社の社長・勝又を取り調べますが、証拠不十分で釈放され、事件は迷宮入りしてしまいます。数日後、狩田のもとに、5年前に亡くなった市会議長・西田が自殺ではなく他殺であるとの匿名の投書が届きます。

投書の主は島原という男で、彼は目撃者として自分の他に橘と寺田という二人の青年の名前を挙げます。しかし、島原はその後、誰かに列車から突き落とされて亡くなってしまいます。一方、橘は過去に恋人を助けるために人を殺した前科を持ち、今はバーの支配人として働いています。そのバーでは、寺田もバーテンダーとして勤務しています。

寺田は、恋人の由利と一緒にいる際に勝又の手下に拉致され、金銭での口止めを強要されます。橘は、啓子という西田の娘が持ち込んだ街頭録音のテープから、5年前の恋人が集団に暴行されたことを知り、激しい怒りを覚えます。

橘は、寺田が勝又から金を受け取ったことを知り、強く責めますが、寺田は橘の恋人を襲ったのは勝又とその子分たちだと告げます。次第に、橘と寺田は命を狙われる事態に直面します。しかし、彼らの背後には、勝又を操るさらに大きな力が潜んでいることが明らかになります。

キャスト

• - 橘行彦：石原裕次郎
• - 西田啓子：北原三枝
• - 狩田検事：安井昌二
• - 由利：白木マリ
• - 寺田誠：小林旭
• - 勝又清次：杉浦直樹

など、多くの実力派俳優が出演しており、彼らの演技が物語に厚みを加えています。

制作スタッフ

監督の舛田利雄をはじめ、原作の石原慎太郎、音楽を担当した佐藤勝らが集まり、チームワークによって作品が生み出されました。撮影技術や編集も高く評価されており、公開当時から現在に至るまで多くの視聴者に影響を与えています。

『錆びたナイフ』は、観客に深い感動と緊張感をもたらす作品となっており、その後の日本映画にも影響を与えた一大作品です。

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