錐体筋

錐体筋（すいたいきん）

錐体筋は、腹部の筋肉の中でも前腹壁に位置する筋肉の一つであり、解剖学的には前腹筋に分類されます。その名の通り、特徴的な錐体状の形状をしています。

概要

起始: 恥骨上縁
停止: 腹直筋鞘および白線（下端）
* 作用: 白線の緊張、腹直筋の補助

恥骨上縁から起始し、上に向かって細くなる形状で、腹直筋を覆う腹直筋鞘と、腹部の正中線を走る白線と呼ばれる結合組織の下端に付着します。

機能

錐体筋の主な機能は、白線を緊張させることです。白線は、腹直筋が正中線で結合するための腱であり、腹部の安定性を保つ上で重要な役割を果たしています。錐体筋が白線を緊張させることで、腹直筋の働きを補助し、腹部の安定性を高める効果が期待できます。

ただし、錐体筋は全ての人に存在するわけではなく、存在しない場合や、左右どちらか一方にしかない場合もあります。そのため、その機能的な重要性については議論の余地があります。

臨床的意義

錐体筋の臨床的な意義は、まだ十分に解明されていません。しかし、腹部の手術などにおいて、解剖学的なランドマークとして認識されることがあります。また、腹部の痛みの原因となる可能性も指摘されていますが、具体的な症例報告は限られています。

構造

位置

前腹壁に位置し、腹直筋の下部に存在します。腹直筋鞘に包まれているため、直接触れることは困難です。

神経支配

錐体筋は、肋間神経（T12）および腸骨下腹神経の支配を受けています。

血管支配

下腹壁動脈および下腹壁静脈によって栄養されます。

その他の情報

白線（Linea alba）

腹直筋の中央を縦に走る線維性の結合組織であり、錐体筋が付着する部位です。

腹直筋鞘

腹直筋を覆う腱膜性の鞘であり、錐体筋の停止部の一部を構成します。

解剖学/人間の筋肉の一覧

人体の筋肉に関する情報は、解剖学の分野で詳しく解説されています。

まとめ

錐体筋は、腹部の安定性に関わる筋肉の一つですが、その存在や機能には個人差があります。今後の研究によって、その詳細な役割や臨床的な意義が解明されることが期待されます。

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