鎌仲ひとみ

鎌仲ひとみのプロフィールと作品

鎌仲ひとみ（かまなか ひとみ、1958年6月11日生まれ）は、日本を代表するドキュメンタリー映画監督であり、テレビ演出家としても知られています。彼女は富山県氷見市で生まれ、早稲田大学の第二文学部を卒業しました。大学時代に探検部に所属していたことから、冒険心や好奇心が育まれ、彼女の映像作りにはその影響が色濃く表れています。

大学では、友人の自主映画を手伝う中で自身もドキュメンタリー映画作家としての道を志すようになります。大学卒業後は「グループ現代」や「岩波映画」で契約助監督としてキャリアをスタートさせました。彼女は自主制作のドキュメンタリー作品『スエチャおじさん バリ/夢/うつつ』を発表し、その作品が評価され、1991年に文化庁芸術家海外派遣助成金を受けてカナダ国立映画製作所へ渡ります。そして、ニューヨークでメディア・アクティビストグループ「ペーパー・タイガー・テレビ」に参加し、さらなる経験を積みました。

1995年に帰国した後は、フリーの映像作家として活躍を続け、NHKや映像制作団体とのコラボレーションを通じて多くの作品を生み出しました。特に2003年に発表したドキュメンタリー映画『ヒバクシャ―世界の終わりに』は高く評価され、数々の賞を受賞し彼女の名を広めるきっかけとなりました。彼女は、多くの作品においてカメラマンの岩田まきことパートナーシップを組み、独特の視点を映し出しています。

主な作品

映画

• - 今、日本の女たち （1987）
• - スエチャおじさん バリ/夢/うつつ （1990）
• - 災害は都市を襲う 阪神大震災救急医療の記録 （1995） - 科学技術庁長官賞受賞
• - ヒバクシャ 世界の終わりに （2003） - 第9回平和・協同ジャーナリスト基金賞グランプリ、第12回地球環境映像際アースビジョン大賞など多くの賞を受賞。
• - 六ヶ所村ラプソディー （2006）
• - ミツバチの羽音と地球の回転 （2010）

テレビ

• - 心の病がいやされる時 今日本の家族に何が起きているのか （1998） - NHK, ATP優秀ドキュメンタリー賞受賞
• - エンデの遺言─根源からお金を問う （1999） - NHK
• - 戦禍にみまわれた子供たち─湾岸戦争8年後のイラク─ （1999） - NHK
• - がんを生き抜く希望を支える医療の記録 （2001） - NHK, ATP優秀ドキュメンタリー賞受賞

著作

• - ドキュメンタリーの力 （子供の未来社、2005年3月）- 金聖雄、海南友子との共著
• - 内部被曝の脅威 原爆から劣化ウラン弾まで （筑摩書房、2005年6月）- 肥田舜太郎との共著
• - ヒバクシャ ドキュメンタリー映画の現場から （影書房、2006年3月）

教育活動

鎌仲は2003年から東京工科大学メディア学部で助教授として教鞭を執り、映像制作に関する知識を学生たちに伝えてきました。2011年には准教授として退職しましたが、その教育活動を通じて多くの若手映像作家が育成されました。

まとめ

鎌仲ひとみの作品は、社会問題への鋭い視点と、ドキュメンタリーを通じて人々の意識を変える力を持っています。その豊かな経験と多様な作品を通じて、視聴者に深い感動と思考を与え続けています。彼女の活動は、映画制作だけでなく、社会全体へのメッセージを発信する重要な役割を果たしています。

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