鐘 (ゲーム・オブ・スローンズ)

『鐘』：破壊と狂気が支配するキングズランディング



『鐘』（The Bells）は、HBOの大人気ファンタジー・ドラマシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』の最終章、シーズン8の第5話にあたるエピソードです。デイヴィッド・ベニオフとD・B・ワイスが脚本を執筆し、ミゲル・サポチニクが監督を務めました。このエピソードでは、デナーリス・ターガリエンの狂気が暴走し、キングズランディングを舞台に、悲劇的な結末へと向かう壮絶な戦いが描かれます。

あらすじ



ドラゴンストーンでは、ミッサンデイと愛竜レイガルを失ったデナーリスが深く悲しみに暮れていました。北部軍がキングズランディングに近づく中、ジョン・スノウがドラゴンストーンに到着します。デナーリスは、民衆のために自身を退位させ、ジョンを王に擁立しようとしたヴァリスを処刑します。また、自身の出自の秘密を漏らしたジョンとティリオンを激しく責め立てます。彼女は、王位継承権で自分より優位に立ち、民衆からの支持も厚いジョンに対抗するため、恐怖による支配を選び、助言者たちの意見を無視してキングズランディングへの総攻撃を決意します。

一方、キングズランディング近郊のデナーリス陣営では、アリアとサンダー・クレゲインが、それぞれサーセイとグレガー・クレゲインを殺害するためにデナーリスの陣を通過します。ティリオンはダヴォスの協力を得て、サーセイのもとへ向かおうとして捕らえられていた兄のジェイミーを解放し、サーセイに降伏を促し、その証として鐘を鳴らすよう説得します。

翌朝、キングズランディング沖では、ユーロンが操るスコーピオンをデナーリスがドロゴンで奇襲し、壊滅させます。キングズランディングの城門は閉ざされ、ジェイミーはティリオンから教えられた抜け道を通って城へ侵入しようと浜辺に到着します。そこで、ユーロンと遭遇し、激しい戦いになります。ジェイミーは重傷を負いながらもユーロンを倒し、城内への侵入を果たします。

キングズランディングの城門前では、城壁上に並べられたスコーピオン、門前に待ち構える黄金兵団、そしてデナーリスの軍勢が対峙します。ティリオンの願いもむなしく降伏の鐘は鳴らず、デナーリスはドロゴンでスコーピオンを一掃し、城門を内側から破壊します。デナーリス軍は城内に殺到し、黄金兵団の指揮官ハリー・ストリックランドは命を落とします。

キングズランディング市内では、デナーリス軍とドロゴンが守備兵を圧倒し、黄金兵団は降伏します。サーセイは赤の王城から戦況を見守りますが、クァイバーンからの降伏の勧めには耳を傾けません。降伏を告げる鐘が鳴りますが、デナーリスは攻撃を継続し、街と人々を焼き払います。グレイ・ワームもジョンの制止を無視し、突撃を命じたため、敵兵と民衆が虐殺されます。

ドロゴンの炎で赤の王城は次々と崩壊し、サーセイ、クァイバーン、グレガー・クレゲインはメイゴルの天守に避難しようとします。サンダーは同行したアリアを説得し、脱出させます。サンダーはグレガーに戦いを挑み、サーセイの側にとどまるよう命じたクァイバーンはグレガーに突き落とされて死亡します。クレゲイン兄弟は激闘の末に相打ちとなります。サーセイは城に侵入してきたジェイミーと再会しますが、抜け道はすでに塞がれており、二人は崩れ落ちる瓦礫の下敷きになり命を落とします。アリアは灰燼と化した街から逃げ延び、ジョンとダヴォスは撤退を命じます。

製作



このエピソードの脚本は、原作者ジョージ・R・R・マーティンとの話し合いに基づいており、未刊の原作『冬の狂風』と『A Dream of Spring』の内容も参考にされました。

評判



このエピソードは、初回視聴者数が1248万人を記録し、シリーズ史上最も多くの視聴者を集めたエピソードとなりました。

参照




このエピソードは、デナーリスの狂気的な行動がキングズランディングを破滅へと導き、主要キャラクターたちの命運を大きく左右する、衝撃的な展開が描かれています。その過激な内容から、賛否両論を巻き起こしたエピソードでもあります。

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