鐘淵化学硬式野球部

鐘淵化学硬式野球部の歴史

鐘淵化学硬式野球部（かねがふちかがくこうしきやきゅうぶ）は、かつて兵庫県高砂市を拠点に活動していた社会人野球のチームです。このチームは1978年から活動を休止し、1992年に解散となりました。運営母体は化学メーカーである鐘淵化学工業でした。

創部と戦前の活動

このチームは、戦前の鐘淵紡績の高砂工業所を基にして、「鐘紡高砂」という名で設立されました。1947年には都市対抗野球に初めて出場し、準決勝に進出すると、なんと全選手が安打を記録する全員安打を達成しました。この快挙により、決勝戦に進むものの、大日本土木に惜しくも敗れ、準優勝という結果に終わりました。

チーム名の変更と成績

1949年に非繊維事業が鐘淵化学工業として独立したことに伴い、チーム名も『鐘淵化学硬式野球部』に変更されました。1950年には、チーム名改称後初の都市対抗野球出場を果たしました。1955年の都市対抗野球では再び決勝進出を果たし、かつての母体である鐘淵紡績が保有する全鐘紡に敗れ再度の準優勝を経験しました。

その後、1957年にはチーム名を『鐘化カネカロン硬式野球部』に改称しましたが、1966年に再び『鐘淵化学硬式野球部』に戻りました。

日本選手権への参加と優勝

1974年から始まった日本選手権に初めて出場し、1975年には見事初優勝を達成しました。しかし、1977年11月に企業の業績悪化を受けて休部が発表され、その後再活動することなく1992年に正式に解散しました。

主な成績と出身選手

このチームは数々の大会に参加し、都市対抗野球大会では合計17回の出場を果たし、1947年と1955年には準優勝を記録しました。また、社会人野球日本選手権大会では3回出場し、1975年に優勝を達成しました。他にも日本産業対抗野球大会での優勝や、JABA大会での成功を収めました。

出身選手には小林章良（内野手）、山根俊英（投手）、青山浩（外野手）など著名なプロ野球選手が存在し、彼らはそれぞれ1940年代から1970年代にかけて、プロ野球界で活躍しました。

まとめ

鐘淵化学硬式野球部は、数多くの歴史的な瞬間と優秀な選手を輩出したチームとして、社会人野球の中で重要な役割を果たしていました。その歴史は、企業スポーツの興隆や地域文化の一例として語り継がれています。活動停止から数十年が経過しましたが、その足跡は今なお多くの人々に記憶されています。

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