長尾十三二

長尾十三二について

長尾十三二（ながお とみじ、1924年2月8日生まれ）は、日本を代表する教育学者であり、その専門分野は西洋教育史です。特にアドルフ・ライヒヴァインの研究が評価されており、日本における教育学の発展に大きな影響を与えました。

学歴とキャリア

名古屋市に生まれた長尾は、1952年に東京文理科大学の教育心理学特別研究生前期課程を修了しました。1965年には、東京教育大学で「プロイセン絶対主義の崩壊過程における教育政策の研究」と題した論文で教育学博士号を取得しました。その後、東京教育大学の助教授および教授として活動し、1975年には立教大学、1985年からは中央大学文学部に教授として就任しました。1993年に退任するまで、長尾は多くの学生に教育を施し、教育学界に多大な貢献をしてきました。

主要な著作

長尾の著作には、教育と政治の関係を探求した『近代ヨーロッパの教育と政治』（1971年）、教育の古典としてのペスタロッチの著作を解説した『ペスタロッチ「ゲルトルート」入門』（1972年）、そして西洋教育の全体像をまとめた『西洋教育史』（1978年）などがあります。さらに、1994年の『教師教育の課題 国民教育の再創造のために』では、教育現場における教師の役割や課題について考察し、関心を高めています。

共編著と翻訳業績

長尾はまた、多くの共同執筆による著作も残しています。『教育学全集』シリーズでは、近代教育史や言語と思考、道徳と国民意識についての各巻を共著として編集し、教育学の知識の普及にも寄与しました。『看護学教育全書』では、医療教育の重要性を認識した内容を発表しています。

翻訳でも多くの実績があり、ディーステルヴェークの『市民社会の教育』や、ルソーの『エミール』全3巻をはじめ、教育に関連する外国の重要な著作を日本に紹介しています。これにより、日本の教育界における国際的な視野の拡大に貢献しました。

教育学への影響

長尾の業績は、教育学の理論と実践において幅広い影響を与え、多くの教育者や研究者に受け継がれています。特に彼の教育政策や教師教育に関する論考は、現代の教育運動においても重要な指針となっています。彼の作品は、教育の本質を探求し、常に革新を求める姿勢を持ち続ける教育実践者にとって価値あるものです。今後も長尾が成し遂げた業績は、後進の教育者たちによって引き継がれ、新たな教育の波を生み出していくことでしょう。

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