長尾弘子

長尾弘子は、1930年5月6日に徳島県徳島市で生まれ、2023年10月5日に生涯を閉じました。彼女は日本画家として、その才能と情熱を美術の世界に注ぎ込みました。

長尾は幼少の頃から絵画に興味を持ち、1939年に和田青華に師事し、日本画の基礎を学び始めました。その後、徳島市立高等女学校（現在の徳島市立高等学校）に進学し、高岡何有の指導を受け、さらに技術を磨きました。

1946年、長尾は第1回徳島県展に初めて出品し、見事特選を受賞しました。この成功を機に、彼女は徳島県展で数々の特選を重ね、その実力を不動のものとしました。後に、長尾は徳島県展において特別出品という形で作品を発表し続けました。

1993年には、そごう徳島店美術画廊にて個展を開催し、自身の作品世界を広く紹介しました。2010年には、徳島県郷土文化会館にて画業70年を記念した個展「日本画展-この道七十年のあしあと」を開催し、長年にわたる画業の集大成を披露しました。

長尾の功績は、数々の賞によっても認められています。2001年には、徳島新聞文化賞、徳島県文化賞、地域文化功労者文部科学大臣表彰を受賞しました。

彼女の代表的な作品には、第1回徳島県展で特選を受賞した『秋』（現在は行方不明）、第2回徳島県展で特選を受賞した『茄子』などがあります。また、四国霊場立江寺には、1976年（昭和51年）に観音堂天井画、1997年（平成9年）に方丈襖絵を奉納しています。これらの作品は、長尾の卓越した技術と豊かな感性を今に伝えています。

長尾弘子は、徳島県の美術界において重要な存在であり、その作品は多くの人々に感動を与え続けています。彼女の画業は、日本の美術史においても特筆すべきものであり、後世に語り継がれていくことでしょう。

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