長崎市立新興善小学校

長崎市立新興善小学校の歴史

長崎市立新興善小学校は、かつて長崎県長崎市興善町に位置していた公立の小学校です。この学校は1874年（明治7年）に設立された興善小学校がその起源であり、その後の統廃合を経て1997年（平成9年）に閉校しました。

学校の設立と変遷

当初の興善小学校は、1874年12月20日に勝山小学校から79名の生徒が移されて開校しました。初期の頃は校名の変更が続き、1882年には中等学校的な役割を持つ「中等興善小学校」と改称され、さらに1886年には「尋常興善小学校」という名称になりました。1893年には都市の小学校の制改正により、他校との統合が進められました。

1901年には新町尋常小学校が開校し、その後1919年には女子実業補習学校が併設されるなど、学校は地域の教育ニーズに応じた変化を続けました。

1934年には興善尋常小学校と新町尋常小学校が統合され、「新興善尋常小学校」として新たなスタートを切ります。1941年には国民学校令が施行され、「新興善国民学校」と改称されました。

戦時下の影響とその後

1945年8月9日、長崎市は原爆の投下を受け、大きな被害を被ります。新興善国民学校は、広島からの避難者を受け入れる仮収容所として機能しました。その後、1946年に学校は移転し、1947年4月1日に長崎市立新興善小学校として再度スタートを切ることとなりました。

現代教育への対応

1950年代には附属外来診療所を残して復帰し、県内で言語治療教室や難聴児教室を開設するなど、特別支援教育にも力を入れました。1974年には創立100周年を迎えるなど、長い歴史の中で地域に貢献してきました。しかし、1997年3月31日には長崎市立勝山小学校と磨屋小学校との統合が決定し、123年の歴史に幕を下ろしました。

現在の校舎跡地

学校の閉校後、その跡地には長崎市立図書館が開館し、新興善メモリアルが設けられ、原爆被害を伝える貴重な場所となっています。ここでは、歴史的な記録や被爆体験者の証言が展示され、地域の人々に教育の場として利用されています。

長崎市立新興善小学校は、1874年から1997年まで地域の子どもたちに教育を提供し続け、地域の市民にとって重要な存在であり続けました。現在もその遺志を引き継ぎ、教育や歴史を学ぶ場としての役割を果たしています。

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