長崎県庁舎

長崎県庁舎

長崎県庁舎は、長崎県の地方行政を支える重要な施設であり、その所在地は長崎市に位置します。この庁舎は県の行政機関が入居している建物であり、長崎市の中心で目立つ存在です。これまで長く江戸町にあった庁舎は、2018年1月に新設された庁舎へと移転しました。新庁舎は、長崎駅の近く、旧長崎魚市跡地に位置し、その設計には現代的なデザインが取り入れられました。新しい庁舎は、その美しさから「2019年度グッドデザイン賞」を受賞しています。

歴史的背景

長崎県庁舎の歴史は、1873年に始まります。最初は旧・長崎奉行所立山役所の建物から、新たに県庁舎を建設するために土地を交換することが決まりました。1874年には洋風の木造二階建ての庁舎が完成しましたが、台風の影響でわずか数週間後には全壊してしまいます。その後、木造二階建ての庁舎が再建されました。1881年には初めて県会臨時会が開催され、その後も庁舎は何度かの改築を経て進化を遂げていきます。

特に1945年8月には、厳しい運命に直面します。原爆投下により、県庁舎は火災に見舞われ全焼してしまいます。この時期、県庁の機能は仮庁舎に移され、1947年には木造の仮庁舎が完成し、県の業務が継続されました。

1950年代以降は、旧本館が完成し、その後さらに庁舎の増築や新設が行われました。2004年に耐震診断が実施されると、現行の県庁舎は震度6強で倒壊する恐れが指摘され、改築と移転の論議が盛んに行われることとなりました。

新しい庁舎への移転

2008年には、新しい庁舎の整備計画が正式に決定され、長崎魚市跡地への新庁舎建設が進められることになりました。2011年、県議会の承認を経て、新しい庁舎の設計や計画が具体化し、最終的に2018年に移転が成し遂げられました。新庁舎は鉄筋コンクリート造で、行政棟は地上8階、議会棟は地上5階建てとなっています。特に行政棟は、延べ床面積が46,565平方メートルもあり、長崎市の新しいシンボルとしての役割を果たしています。

跡地の活用

新庁舎移転後、旧庁舎跡地の活用についても検討が進められています。埋蔵文化財調査が行われ、江戸時代の石垣や町屋の跡が発見されたことから、新たな施設の計画が再考されることとなりました。特に文化芸術ホールの建設が提案されていましたが、発見された文化財の保護と周辺環境との調和が求められる中、さらなる検討が続いています。

長崎県庁舎はただの行政機関としてだけでなく、地域の文化や歴史を守りながら、未来へと進むための基盤を提供し続けています。

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