長崎電気軌道3000形電車

長崎電気軌道3000形電車

長崎電気軌道3000形電車は、2003年から製造が始まり、2004年3月に営業運転を開始した長崎の路面電車です。この車両は、グッドデザイン賞を受賞しており、デザイン性だけでなく、バリアフリーへの配慮も兼ね備えています。

設計の背景

長崎電気軌道は、バリアフリー化を目指しており、従来の車両ではこの目標に十分応えられなかったため、2002年に新たに低床車両の導入を決定しました。これにより登場した3000形は、初めての連接車両として、より多くの人々に利便性を提供することを目的としています。

車両の構造

この電車は、アルナ車両が開発したリトルダンサーUタイプの構造を採用しています。両端に運転台を持つA・B車と、中央に浮遊する連接車体のC車を持ち、全長は15,100mm、幅が2,300mm、自重は22tに達します。定員は63名で、そのうち28名が座れる仕様です。特筆すべきは、A・B車の床下に電動機を設置することで、台車部分の床面高さを480mmに抑えつつ、C車は380mmという非常に低い床面を実現しています。

バリアフリーへの配慮

3000形はバリアフリー設計が特徴で、中央扉には手動スロープが設けられており、車椅子やベビーカーの乗降をサポートします。車内にはロングシートとクロスシートを組み合わせたセミクロスシートを採用しており、その一部は跳ね上げ式のため、車椅子スペースにも柔軟に対応できます。

動力装置とブレーキシステム

電動機は東洋電機製の85kWかご形三相誘導電動機を使用しており、IGBT-VVVF制御方式を採用しています。このシステムにより効率的な駆動が可能で、ブレーキにも先進的な装置が用いられています。応荷重装置付きの電気・機械式ブレーキシステムを備え、回生・発電ブレンディングブレーキによりエネルギーの再利用が図られています。

運転台と装備

運転台では、1軸片手式のワンハンドルマスコンが使用され、液晶ディスプレイが設置されているため、運転士が周囲の状況を把握しやすくなっています。カメラによる映像確認が可能ですが、ミラーがないため、運転士の意見としては直視できるミラーが望まれる声もあります。このことから、後の5000形ではカメラが除去され、ミラーが装備されています。

現在の運用状況

3000形は、2004年から2006年にかけて3編成が運行を開始しました。各停留所には専用のダイヤが掲示されており、ウェブサイトでも詳細を確認することができます。また、長崎スマートカードへの対応も行われ、交通利便性の向上に寄与しています。

まとめ

長崎電気軌道3000形は、単なる電車ではなく、地域住民にとって重要な公共交通機関であり、これからもその役割を果たし続けることが期待されています。

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