長橋和久

長橋 和久（ながはし かずひさ）

長橋 和久氏は、日本の建設・国土交通分野における重要な官僚の一人です。1966年（昭和41年）3月23日、愛媛県に生まれました。地元の愛媛県立今治西高等学校を卒業後、学業をさらに深めるため京都大学へ進学。同大学の農学部農林経済学科にて専門的な知識を修得し、1989年3月に卒業しました。

大学卒業を控えた1989年には、国家公務員採用Ⅰ種試験（経済区分）に見事合格。同年4月、建設省に入省し、キャリアをスタートさせました。建設省ではまず道路局道路総務課に配属され、日本の道路政策の基礎に触れることとなります。

初期キャリアにおいて、中央官庁での勤務と並行し、地方での経験も積んでいます。1996年4月には近畿地方建設局総務人事課長として、地方の現場における行政運営や組織管理に携わりました。さらに、1998年4月からは山形県へ出向し、企画調整部企画調整課長を務めるなど、広域的な視点からの政策立案や地域行政との連携に深く関わりました。

2001年5月、中央省庁再編を経て発足した国土交通省に戻り、大臣官房人事課長補佐に就任。これ以降、国土交通省内で多様な部署を経験していきます。2002年4月には住宅局住宅総合整備課長補佐として住宅政策に、2004年7月からは大臣官房総務課長補佐（国会連絡室担当）として国会対応などの重要業務に携わりました。

その後、再び道路行政に関わり、2006年9月には道路局路政課路政調査官、2007年7月には道路局総務課企画官を務め、道路に関する専門知識と政策企画能力を高めました。2008年7月からは再び大臣官房人事課企画官となり、人事戦略に関わるなど、組織運営の核心にも関与しています。

2010年8月には住宅局総務課民間事業支援調整室機構に所属。2011年1月からは国土交通大臣秘書官（事務取扱）として、大臣の活動を間近で支える重要な役割を担いました。同年9月には土地・建設産業局建設業課長兼入札制度企画指導室長に就任し、建設産業の振興と入札制度の適正化に尽力しました。

土地・建設産業局でのキャリアは続き、2012年9月には同局企画課長に昇任。政策立案の中枢で手腕を発揮しました。また、独立行政法人都市再生機構へ出向し、2013年2月から経営企画部長を務めるなど、特殊法人における組織経営の経験も積んでいます。

国土交通省に戻ってからは、2015年7月に土地・建設産業局不動産産業課長として不動産関連政策を担当。2016年7月には大臣官房参事官（人事担当）、2017年7月には大臣官房人事課長と、人事部門の責任者を務め、組織を支える人材戦略や管理に重要な役割を果たしました。2018年7月には大臣官房総務課長に就任し、省全体の総務事務を統括しました。

局次長級のポストとしては、2019年7月に道路局次長に就任し、再び道路行政の要職を担いました。そして、2020年7月21日には国土交通省の重要ポストである大臣官房総括審議官に昇任。省全体の政策調整や重要課題への対応を総括する立場となりました。

さらに、2021年7月15日には国土交通省不動産・建設経済局長に就任し、不動産市場や建設産業全体の経済政策をリードしました。その後、2023年7月4日には国土交通省総合政策局長に異動。国土交通行政全般の総合的な政策企画・立案を担う最高責任者の一人として手腕を振るいました。

2024年4月1日、キャリアは新たな局面を迎えます。内閣官房の内閣審議官（内閣官房副長官補付）に任命されると共に、復旧・復興支援総括官を兼務することとなりました。この復旧・復興支援総括官は、同年1月に発生した能登半島地震からの迅速かつ実効性のある復旧・復興を推進するため、内閣官房に新たに設置された重要なポストです。多様な経験を積んだ長橋氏の手腕が、国家的な重要課題である災害からの復興に活かされることが期待されています。建設省入省以来、約35年にわたり、建設、住宅、道路、土地、人事、総務など、国土交通行政の多岐にわたる分野で要職を歴任し、その豊富な経験と識見をもって日本の社会基盤整備や国民生活の安定向上に貢献し続けています。

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