長洲天満宮

長洲天満宮：菅原道真ゆかりの尼崎の神社

概要

兵庫県尼崎市に鎮座する長洲天満宮は、菅原道真公を祭神とする神社です。「菅公聖蹟二十五拝」の第13番札所にも指定されており、古くから人々の信仰を集めてきました。境内には、道真公ゆかりの史跡や、貴重な文化財が数多く残されています。

歴史と伝承

神社の創建は、道真公が太宰府へ左遷される途中に長洲の浦に立ち寄ったことに由来すると伝えられています。道真公は村人に歌と自画像を授け、その没後、村人たちは道真公の徳を偲んで祠を建て、画像を奉斎したのが始まりです。

興味深い伝承として、かつて領主が道真公の画像を強引に持ち去ったところ、様々な不幸に見舞われたため、祟りを恐れて画像を返却したという話が残っています。この伝承は、道真公の霊験あらたかな力を物語っています。

境内と見どころ

境内には「菅公足洗之池」と呼ばれる池があります。これは、道真公が太宰府への左遷の途中に、この地で足を洗われたと伝えられる池です。古くからの歴史を感じさせる、静謐な空間が広がっています。

文化財

長洲天満宮には、数多くの貴重な文化財が保存されています。

兵庫県指定重要文化財

長洲天満神社本殿（附 棟札1枚）

1607年（慶長12年）に建築された本殿は、桃山時代の建築様式を色濃く反映した貴重な建造物です。規模は小ぶりながらも、精巧な細工が施されており、県指定重要文化財に指定されています。棟札によって建築年代が確認できること、そして良好な状態で保存されていることが評価されています。

尼崎市指定文化財

長洲天満神社絵馬（附 奉納者名木札1枚）

宝暦年間に本殿の改修工事が行われた際、野地板として転用するため裁断された絵馬と木札の断片が発見されました。それらは、17世紀の絵馬27面と奉納者名木札1枚に復元されました。1680年（延宝8年）から1741年（寛保元年）にかけて奉納された絵馬も多く含まれており、当時の彩色が鮮やかに残されている点が貴重です。尼崎市内でこれほど古い絵馬は他に例がなく、市指定文化財として大切に保存されています。

アクセス

JR西日本尼崎駅より徒歩約15分
阪神電車大物駅より徒歩約14分

長洲天満宮は、歴史と文化に触れられる貴重な場所です。尼崎を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。

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