長良川の戦い

長良川の戦いについて

長良川の戦い（ながらがわのたたかい）は、1556年の4月、斎藤道三とその長男である斎藤義龍との間に起こった合戦です。この戦いは、美濃国（現在の岐阜県）で行われ、親子の対立が深く影響しています。

合戦の起こり

本戦の背景には、1542年に道三が名門の土岐氏を追放し、美濃の国主となるまで遡ります。道三は1554年に長男の義龍に政権を譲り、隠居しますが、次第に義龍を年老いた者とみなすようになります。道三は、義龍よりも弟の孫四郎や喜平次に目をかけ、特権を与えることで義龍との関係は悪化。この不満から、義龍は対抗策を練り始めました。

開戦のきっかけ

義龍は、自身の指導力を保持するため、疾病を装いながら、道三との切り離しを目論みます。1555年10月に道三が私邸に出かけた際、義龍は弟たちを道利を使って誘い、謀殺します。この行為に道三は驚愕し、急いで兵を集め逃亡しました。これが長良川の戦いを引き起こす要因となるのです。

戦闘の経過

1556年4月18日、戦闘が開始されました。道三は鶴山に陣を築き、義龍も自身の軍を編成しました。20日の辰の刻、義龍軍が南岸に移動したことを受け、道三軍も北岸へと移動し、両軍は激突しました。この時、義龍軍は数において圧倒的であり、約17500名に対して道三は2700余名の兵を動員しました。

合戦は義龍軍による突撃でスタートし、乱戦の中でも道三の勝利の兆しが見え始めますが、優位に戦いを進めることができました。しかし、兵力の差はなかなか埋まらず、最終的には道三は敗北します。その後、道三は捕虜となり、最終的に謀殺されてしまいました。合戦の結果、道三の首が義龍の元に届けられると、義龍は自らの不徳を恥じて出家し、名前を「はんか」と改めます。

戦後の影響

長良川での勝利により義龍軍は士気を高め、信長の軍にも攻撃をしかけます。しかし信長は巧妙に撤退し、危機を回避しました。道三の死は隣国である尾張にも影響を与え、清洲近くでの戦闘が引き起こされます。

その後、義龍は道三を討ち取ったものの、1561年に急死し、家督はその子・斎藤龍興が継ぐこととなります。しかし、龍興は尾張の織田信長による侵攻を受け、結局美濃を追われる運命となりました。

結論

長良川の戦いは、親子間の争いが引き起こした悲劇的な合戦であり、戦国時代日本の複雑な権力構図を浮き彫りにしています。この戦いを通じて、義龍と道三、またその後の動きがどのように影響していったのかを知ることができます。長良川の戦いは、戦国時代における血みどろの権力闘争の一端を示す重要な出来事と言えるでしょう。

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