長谷川藤七

長谷川藤七：徳山市の礎を築いた革新的なリーダー

長谷川藤七（1896年5月21日 - 1977年2月10日）は、昭和時代に山口県徳山市長を務めた政治家であり、同時に実業家としても手腕を発揮しました。初代公選市長として、戦後の復興期における徳山市の発展に大きく貢献しました。

実業界から政界へ

1896年（明治29年）に生まれた長谷川藤七は、1912年（明治45年）3月に岡山商業学校を卒業後、実業界でキャリアを積みます。1940年（昭和15年）4月には東亜窯業会社で技師長を務め、その後1942年（昭和17年）11月には小野田耐火工業の社長に就任するなど、その経営手腕を発揮しました。そして1947年（昭和22年）4月、徳山市初の公選市長として政界入りを果たします。

大胆な都市計画と反対運動

市長としての長谷川藤七の功績は、何と言っても大胆な土地区画整理事業です。幹線道路の幅を36メートルに広げるという、当時としては桁外れの計画は、市民からの猛烈な反対運動を引き起こしました。しかし、この事業は戦災からの復興を加速させ、その後の徳山市の発展の基礎を築く上で不可欠なものでした。また、公共的建物の統合配置による官公街の形成や、公園緑地の適正配置による都市美観の向上も目指しました。

徳山大博覧会の開催

1948年（昭和23年）には、徳山大博覧会を開催し、市民の復興への機運を高めました。

市長退任後の活躍

市長退任後も、長谷川藤七は教育分野で活躍しました。山口工業短期大学の理事長、同学長、山陽高等電波学校長などを歴任し、後進の育成に尽力しました。

長谷川藤七は、その革新的な発想と実行力で、徳山市の戦後復興と発展に大きく貢献した人物として、今もなおその名が語り継がれています。

参考文献

• - 歴代知事編纂会 編集『日本の歴代市長 : 市制施行百年の歩み』 第3、歴代知事編纂会、1983年。
• - 中西輝磨『昭和山口県人物誌』マツノ書店、1990年。

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