長野コカ・コーラボトリング

長野コカ・コーラボトリング株式会社：地域に根ざしたボトラーの軌跡

長野コカ・コーラボトリング株式会社は、かつて長野県のみを営業エリアとしていたコカ・コーラボトラーです。現在は北陸コカ・コーラボトリングに吸収合併されています。

概要

長野県という単一県のみを営業エリアとしていたのは、本州においては唯一の例でした。1974年から1984年までの間、コカ・コーラ本社が経営に携わった時期には、日本におけるパイロットボトラーとしての役割を担い、新製品のテスト販売などが積極的に行われました。この背景から、長野県でのみ販売された製品も数多く存在します。

営業エリアの隣接地域は、それぞれ異なるボトラーが担当していました。富山県は北陸コカ・コーラボトリング、静岡県・山梨県・岐阜県・愛知県はコカ・コーラ セントラル ジャパン、埼玉県・群馬県・新潟県は三国コカ・コーラボトリングが担当していました。

沿革

1962年
6月：コカ・コーラ本社極東部門の幹部と地元資本の出資により設立。
7月：コカ・コーラレギュラーサイズ発売。
8月：ファンタオレンジ、ファンタグレープレギュラーサイズ発売。
5月：松本工場操業開始。
1964年12月：コカ･コーラホームサイズ製造開始。東京コカ・コーラボトリング等へ供給。
1965年7月：自社エリアでコカ･コーラホームサイズ発売。1978年には販売を停止。
1966年5月：コカ･コーラ250ml缶発売。
1968年
1月：ファンタ350ml缶発売。続いて翌2月にはコカ・コーラ350ml缶を発売。
4月：松本工場に第2ライン増設。
1970年3月：全国販売に先駆け、ディスンペンサーでのスプライトテスト販売を実施。
1971年2月：全国に先駆け、スプライトレギュラーサイズ発売。
1972年2月：更埴工場竣工。操業開始。
1974年
7月：経営権がコカ・コーラ本社に移り日本唯一の直営ボトラーへ。
12月：全国に先駆けてコカ・コーラ1リットルサイズびんの販売を開始。
1975年8月：松本工場リットルサイズラインの生産能力を増強。他ボトラーへも供給開始。
1976年3月：更埴工場の製造ラインを改造し、コカ･コーラ350mlキングサイズびん(リターナブル)を発売。
1977年6月：コールドフィリング技術を導入し、リフトオレンジ300mlびん発売。
1978年10月：松本工場リットルサイズ兼用ライン設備を更埴工場へ移設。
1980年3月：リフトオレンジ250ml缶、350ml缶を発売。製造は山陽コカ・コーラボトリング。
1981年2月：松本工場の操業を一時停止。
1984年
3月：北陸コカ・コーラボトリングが経営権を取得し、同社の傘下に入る。
10月：更埴工場2号ラインを炭酸飲料1.5リットルペットボトル製造に対応。
1985年5月：更埴工場1号ラインでスーパー300ワンウェイボトルの製造開始。
1986年6月：更埴工場2号ラインを非炭酸飲料1.5リットルペットボトル製造に対応。
1988年3月：更埴工場1号ラインでミディ500ワンウェイボトルの製造開始。
1989年
4月：北陸コカ・コーラボトリング高岡工場より機器を移設し、リアルゴールド等小びん飲料の生産開始。
7月：キャンニング専用工場として新松本工場の操業を開始。当初はコーヒー・茶の生産。
1991年2月：松本工場缶ラインに窒素充填装置を導入し、2ピース缶使用開始。
1992年5月：松本工場缶ラインを炭酸飲料生産可能に改造。
1999年：北陸コカ･コーラボトリングに吸収合併。更埴工場を閉鎖。

工場

本社工場（長野県松本市）：びん製品を製造していましたが、1981年に一時操業を停止。1989年に缶製品専用工場として再開。1992年に炭酸製品の生産も可能になりました。
更埴工場（長野県更埴市（現・千曲市））：リットルサイズ生産や果汁コールド充填など、新技術導入のテストラインとして選ばれることが多く、あらゆる種類のボトル製品の生産に対応していました。

長野コカ・コーラボトリングの特色

長野でのみ発売された製品
コカ･コーラ350mlリターナブルびん
リフトオレンジ200ml・300ml・1リットルリターナブルびん

長野県では全国に先駆けてリットルサイズが導入され、市場エリアが狭いことから、ホームサイズの生産が早期に打ち切られました。また、都市圏の大規模ボトラーで生産が終了した製品が、長野県では長寿製品となることもありました（例：ファンタフルーツパンチ）。松本工場にキャンニング設備が完成するまでは、缶製品を他社から仕入れて販売していました。

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