長野町 (大阪府)

長野町（ながのちょう）

長野町は、かつて大阪府南河内郡に存在した町で、現在の河内長野市の中核をなす地域です。具体的には、長野、天野、千代田の各地区が長野町に該当します。

地理

町の東端と南端には石川が流れ、自然豊かな地形を形成していました。石川は、天見川と分岐しており、その分岐した石川は古くは「西条川（西篠川）」と呼ばれていました。天見川もまた、町を流れる重要な河川の一つでした。

歴史

古代から中世

この地域は、平安時代から高野街道が通り、京都からの参詣道が合流する場所として賑わいました。長野には、長野武者として知られる源貞弘が所領を持ち、館を構えた記録が残っています。この地は、古くから交通の要衝であり、人々の交流が盛んな場所でした。

近世

1679年（延宝7年）には、膳所藩主本多康将が次男忠恒に1万石を分け与え、長野・西代など15の村が西代藩の領地となりました。その後、1711年（正徳元年）には西代藩の本多忠統が西代村に移り住み、藩の陣屋を設けました。しかし、1732年（享保17年）には西代藩本多氏が伊勢神戸へ転封となり、その際、村民が西代神楽を奉納して送別しました。この神楽は、現在も市指定無形民俗文化財として残っています。

近代

1889年（明治22年）の町村制施行に伴い、錦部郡上原村、長野村、西代村、野作村、原村、古野村の区域をもって長野村が成立しました。この時、第十八戸長役場管区全域と、第二十五戸長役場管区の上原村が合併しました。

1896年（明治29年）には、郡の統合により南河内郡の所属となり、1910年（明治43年）には長野村が町制を施行し、長野町となりました。

合併とその後

1935年（昭和10年）には、長野町を含む周辺8町村での合併案が持ち上がりましたが、地理的な問題や長野と三日市との対立などから実現しませんでした。翌年には、大阪府の斡旋により5町村での合併協議も行われましたが、これも実現には至りませんでした。しかし、1940年（昭和15年）には、長野町、千代田村、天野村が合併し、新たな長野町として3区制を敷くことになりました。この合併は、大阪府の斡旋のもと、各町村会で満場一致で合意されました。

1954年（昭和29年）には、南河内郡の天見村、加賀田村、川上村、高向村、三日市村と新設合併し、河内長野市が発足しました。これにより長野町は廃止され、その歴史に幕を閉じました。

交通

長野町には、近畿日本[[鉄道]]と南海電気[[鉄道]]の駅があり、交通の便が良い地域でした。

鉄道

近畿日本[[鉄道]]
近鉄長野線：長野駅
南海電気[[鉄道]]
南海高野線：長野駅

道路

大阪府道217号大野天野線
西高野街道
東高野街道

脚注

この地域は、歴史的に高野山への参詣道が交わる場所として栄え、多くの人々が行き交いました。また、明治時代以降には温泉地として発展し、鉄道の開通とともに近代的な発展を遂げました。現在の河内長野市の中心部として、その歴史と文化を受け継いでいます。

関連項目

大阪府の廃止市町村一覧
河内長野市
千早川水力電気 - 町に初めて電気を供給した電力会社。

もう一度検索