長野縣護國神社

長野縣護國神社

長野縣護國神社は、長野県松本市美須々に位置する護国神社です。この神社は、明治維新から第二次世界大戦までの国家的な危機に際して、尊い命を捧げた長野県出身の英霊を祀っています。

歴史

護國神社の前身は、戊辰戦争の犠牲者を祀るために、明治元年（1868年）に松代藩、岩村田藩、須坂藩に建立された招魂社です。その後、日清戦争や日露戦争の戦没者も祀るため、県内各地に招魂社が建立されました。昭和9年（1934年）には、県全体を対象とした招魂社の建設が計画され、昭和13年（1938年）には、明治天皇の勅命により、長野県招魂社として仮社殿が創建されました。

翌昭和14年（1939年）には、長野縣護國神社と改称され、内務大臣指定護国神社となりました。創建から2年後の昭和15年（1940年）に制定された松本市歌には、「くにを護りの社殿は聳ゆ」と歌われ、市民の誇りとなりました。昭和17年（1942年）には、社殿、社務所、3つの鳥居などが完成し、神社の全容が整いました。

第二次世界大戦後、護国神社の名称が軍国主義的であると見なされた時期には、神社存続のため「美須々之宮」と改称されました。しかし、1957年（昭和32年）には、神社本庁の別表神社として再び指定を受けました。

昭和39年（1964年）には、昭和天皇と香淳皇后が全国植樹祭に合わせて県内を行幸された際、護国神社も訪問先に選ばれました。これは、神社が地域にとって重要な存在であることを示す出来事でした。

鳥居の倒壊と復興

2017年（平成29年）には、台風21号の影響で、高さ7メートルの木製第二鳥居が倒壊しました。この鳥居は台湾ひのきで作られており、再建のためクラウドファンディングが実施され、323万2000円の寄付が集まりました。同時に、第一鳥居と脇鳥居の修理も行われ、柱部分を新調し、横木部分は既存の木材を再利用する形で復旧されました。

さらに、2018年（平成30年）にも、台風21号により東側の木製脇鳥居（高さ約6メートル）が倒壊しました。これにより、当初予定されていた補強作業に加え、脇鳥居の再建も余儀なくされました。

周辺施設

長野縣護國神社の周辺には、以下の施設があります。

長野県松本文化会館
松本市総合体育館
信州大学
長野県松本美須々ヶ丘高等学校

関連情報

松本市の名所・旧跡
松本市の歴史

脚注

『長野県百科事典』 信濃毎日新聞社、1974年

外部リンク

信濃國総守護 長野縣護國神社（公式サイト）

この神社は、歴史の中で様々な困難を乗り越え、今もなお、多くの人々に敬愛されています。

もう一度検索