長野電鉄屋代線

長野電鉄屋代線：歴史、運行、そして廃線後の姿

長野県千曲市の屋代駅から須坂駅までを結んでいた長野電鉄屋代線は、2012年4月1日に惜しまれつつ廃止されました。かつては河東線の一部として運行されていた路線ですが、利用客の減少という厳しい状況に直面し、存続が困難となりました。本稿では、屋代線の歴史、運行形態、廃止に至るまでの経緯、そして廃線後の跡地活用について詳細に解説します。

運行の歴史と特徴

屋代線は1922年、河東鉄道によって屋代～須坂間が開業しました。その後、1925年には木島まで延伸され、1926年には電化されました。当初は蒸気機関車による運行でしたが、電化後は電車による運行となり、利用者の利便性向上に貢献しました。

運行形態は時代とともに変化しました。1993年には3500系電車（元営団3000系）による2両編成のワンマン運転が開始され、昼間は90分間隔での運行が中心でした。以前は急行列車も運行されていましたが、1982年に廃止されています。また、須坂駅を経由して長野線と直通する普通列車も運行されていた時期がありましたが、バス路線との競争に敗れ、利用客の減少が続きました。

廃止への道

利用客の減少は深刻で、長野電鉄は存続が困難と判断。県と沿線3市に資金援助を要請するなど、様々な努力がなされました。2009年には「長野電鉄活性化協議会」が設立され、翌年には「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」に基づく「長野電鉄屋代線総合連携計画」を発表。サイクルトレインやパークアンドライド用駐車場の整備といった社会実験も行われましたが、効果は限定的でした。

2011年2月2日、活性化協議会の議決により路線廃止が決定。同年3月25日に国に廃止届が提出され、2012年4月1日に全線が廃止されました。代替として長電バスによる「屋代須坂線」が運行開始されました。

廃線後の跡地活用

廃線後の線路跡は、沿線の千曲市、長野市、須坂市に無償譲渡されました。各市は跡地活用計画を立て、現在も整備が進められています。

千曲市では、一部を自転車歩行者道に転用する計画が進められており、2023年には一部区間が開通しました。

長野市では、当初LRT導入の計画がありましたが、財政負担の大きさや利用客数の見込みから、計画は断念されました。現在、自転車歩行者道として整備が進められており、2023年時点で一部区間が供用開始されています。

須坂市では、線路跡を道路として活用する計画が進んでおり、一部区間は自転車歩行者道として整備されています。

運行データ

路線距離：24.4km
軌間：1067mm
駅数：13駅
電化方式：直流1500V
* 閉塞方式：自動閉塞式

まとめ

屋代線は、地域の交通を支えてきた路線でしたが、時代の変化や競争激化の中で廃止という道を辿りました。廃線後の跡地活用は、新たな地域活性化の取り組みとして注目されています。その取り組みが地域社会にどのような影響を与えるのか、今後の展開が期待されます。また、代替バス路線の運行状況も、今後の公共交通のあり方について考える上で重要な要素となります。

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