閉塞 (鉄道)

閉塞（へいそく、block system）

閉塞とは、鉄道および軌道における衝突防止のための信号保安システムのことを指します。このシステムは、特に鉄輪で走行する鉄道車両の制動距離が長いことに起因するもので、前方の車両を目視で確認することができても安全に停止することが困難であるため、発展しました。

概要

鉄道の運行には、線路を一定の区間（閉塞区間）に分割し、同時に複数の列車が入ることを防ぐ仕組みが必要です。これは、列車間の衝突を避けるための基本的な措置です。もともと、列車の運行は運転時刻表に基づいていましたが、遅延や前提条件の誤りによって追突事故が発生することが多かったため、閉塞システムが考案されました。

日本における法令

日本では、鉄道運行に関する技術基準を定める省令（平成13年国土交通省令第151号）において、閉塞は「列車間の安全確保」の方法の一つとして位置づけられています。法令では「閉そく」とされているものの、ここでは「閉塞」と表記します。省令第101条では、列車間の安全確保に関する方法として、閉塞のほかに列車間隔を確保する装置、操縦する係員の注意力による方法が記載されています。

閉塞の方式

• - 非自動閉塞方式: 人手で管理される方法で、かつては多くの路線で使用されていましたが、運行本数が多い路線では自動閉塞に移行しています。
• - スタフ閉塞式: 通票を使用し、同一区間には1つの通票しか存在しないため、通票を持つ列車のみが出発することができます。
• - タブレット閉塞式: 複数のタブレットを使用し、どちらの駅でもタブレットを確保する必要があります。

これにより、列車の運行がより滑らかで安全に行われるようになっています。

自動閉塞方式

自動閉塞方式は、作業員の関与なしに閉塞を行います。各駅間や停車場に連続した軌道回路を設置し、列車が通過することで自動的に信号を管理します。これにより、複数の列車が同時に運行できるようになり、効率的な運行が実現可能です。

特殊自動閉塞式と電子閉塞装置

特殊自動閉塞式は、単線の停車場間を一つの閉塞区間とし、必要に応じてのみ信号を設置します。一方、電子閉塞装置は異なる地点にある装置同士が通信することで閉塞を管理し、近年ではこの方法の導入が進んでいます。

まとめ

閉塞システムは、鉄道における安全運転のための不可欠な要素です。これにより、列車の運行は効率的かつ安全に行われ、衝突事故のリスクが大きく低減されています。今後もこのシステムの改善と進化が期待されています。

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