開国 (李氏朝鮮)

開国（かいこく）とは

開国は、李氏朝鮮で使用された紀年法の一つです。李氏朝鮮の建国年である1392年を元年とするもので、開国年号とも呼ばれます。この紀年法がいつ考案されたのかは明確ではありません。

開国の使用例

1876年2月26日に調印された日朝修好条規の朝鮮側署名欄には、「大朝鮮國開國四百八十五年丙子二月初二日」という日付が記されており、この紀年法が当時使用されていたことがわかります。また、1883年10月30日に創刊された朝鮮初の近代新聞である『漢城旬報』にも、「朝鮮開國四百九十二年」という用例が見られます。

公式採用と廃止

開国が公式に採用されたのは、1894年の甲午改革で成立した金弘集政権の時です。同年7月27日から正式に用いられるようになりました。それまで宗主国である清の年号（光緒）を使用していた朝鮮が、清との宗属関係を廃止し、独立を明確化するために、独自の紀年法を採用したのです。開国は、1896年にグレゴリオ暦が採用されると同時に、新たに「建陽」という元号が制定されるまで使用されました。

西暦・干支との対照表

以下に、開国年号と西暦、干支との対照表を示します。公式に用いられた期間のみを対象としています。

開国の意義

開国は、単なる紀年法以上の意味を持っていました。長年、清の支配下にあった朝鮮が、自国の独立を内外に示すための重要な手段でした。清の元号を使用していた状態から、独自の紀年法に切り替えることで、朝鮮が独立した国家であることを強調しました。これは、当時の朝鮮におけるナショナリズムの高まりを象徴する出来事でもありました。

まとめ

開国は、李氏朝鮮の建国を紀元とする紀年法で、1894年に公式採用され、1896年まで使用されました。この紀年法の採用は、朝鮮が清からの独立を明確にする上で重要な役割を果たしました。

参考文献

姜在彦「漢城旬報」伊藤亜人・大村益夫・梶村秀樹・武田幸男編『朝鮮を知る事典』平凡社、1986年、58ページ。 ISBN 4-582-12603-0
『朝鮮史』武田幸男編、山川出版社＜新版世界各国史2＞、2000 ISBN 4-634-41320-5

関連項目

甲午改革
元号一覧 (朝鮮)

もう一度検索