間瀬正明

間瀬正明：忠義貫いた赤穂浪士

間瀬正明は、江戸時代前期に活躍した赤穂浅野家家臣であり、赤穂浪士四十七士の一人として知られています。寛永18年（1641年）、赤穂藩士・間瀬権大夫の長男として生まれ、家督を継承後、200石の知行高を得て藩大目付を務めました。

浅野長矩が吉良義央に刃傷に及んだ元禄14年（1701年）、間瀬正明は赤穂にいました。事件後、大石良雄らと共に吉良邸への討ち入りを決意。老齢でありながらも、その忠義の心は揺らぐことなく、大石良雄にたびたび決起を促したと伝えられています。

討ち入り計画遂行のため、間瀬正明は一族と共に本徳寺領に移り住み、その後、江戸へ下向。偽名を用いて潜伏生活を送りました。討ち入り当日、間瀬正明は吉良邸に突入し、義挙に加わりました。

吉良義央の首が上げられた後、間瀬正明は熊本藩主・細川綱利の屋敷に預けられました。しかし、そこで体調を崩し、元禄16年（1703年）2月4日、細川家家臣の介錯によって切腹しました。享年63歳。主君・浅野長矩と同じ高輪泉岳寺に葬られました。

間瀬正明の次男・正岑は幼少のため討ち入りには参加しませんでしたが、父や兄の切腹後、一族とともに伊豆大島へ流されました。厳しい環境の中、開墾などの重労働に従事したとされていますが、その後、生活に困窮し、病死したと伝えられています。

間瀬正明の人生は、主君への忠義と、それに伴う悲劇的な最期、そして流罪となった子孫の苦難を物語っています。彼の生涯は、忠義と犠牲の物語として、後世に語り継がれることでしょう。

詳細

生誕: 寛永18年（1641年）
没年: 元禄16年2月4日（1703年3月20日）
通称: 久大夫、久太夫
変名: 三橋浄貞
役職: 赤穂藩 200石の藩大目付
家族: 妻（刈部弥次郎の娘）、長男・正辰、次男・正岑
最期: 切腹（細川家屋敷にて）
墓所: 高輪泉岳寺

関連事項

間瀬正明の生涯は、赤穂事件、そして忠義というテーマを考える上で、重要な人物像を示しています。彼の行動、そしてその結果として訪れた運命は、歴史の重みと、個人の選択と犠牲の大きさを改めて考えさせてくれます。また、彼の家族、特に次男・正岑の悲劇的な最期は、事件の爪痕がいかに深く、長く人々に影を落としたかを物語るものと言えるでしょう。赤穂浪士四十七士一人ひとりの背景を知ることで、この歴史的事件への理解はより深まります。

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