関口晃一

関口晃一（1919年12月20日 - 2012年2月1日）は、日本の著名な動物学者であり、特にカブトガニの研究で広く知られています。彼の生涯は、教育者として、また研究者として、日本の動物学の発展に大きく貢献しました。

生い立ちと学歴

関口晃一は、埼玉県北埼玉郡騎西町（現在の加須市）で生まれました。東京高等師範学校を経て、1943年に東京文理科大学理科を卒業。戦後の1945年には東京文理科大学の副手となり、その後助手として研究生活をスタートさせました。

研究者としてのキャリア

1957年、「遠心処理によつてつくられたクモ重複畸形」の研究で東京教育大学から理学博士号を取得。この研究は、クモの形態形成に関するもので、彼の研究者としての才能を示すものでした。1962年には東京教育大学の助教授に就任、1973年には教授へと昇進しました。

東京教育大学の移転に伴い、筑波大学教授に就任。1983年に定年退官し、筑波大学名誉教授の称号を得ました。退官後も上武大学教授として教鞭を執り、1991年に退職するまで、後進の育成に尽力しました。

学会活動と受賞

関口晃一は、学会活動にも積極的に参加し、1988年から1993年まで日本蜘蛛学会会長を務めました。1979年には、長年の研究成果が認められ、日本動物学会賞を受賞。彼の研究は、日本の動物学界において高く評価されています。

カブトガニ研究

関口晃一の最も重要な研究テーマは、カブトガニに関するものでした。彼は、カブトガニの生態や進化に関する研究を行い、「生きている化石」とも呼ばれるカブトガニの保全の重要性を訴えました。彼の著書『カブトガニの不思議 「生きている化石」は警告する』(岩波新書,1991)は、一般読者にもカブトガニの現状をわかりやすく伝え、環境問題への関心を高めるきっかけとなりました。

著書

関口晃一は、研究活動の傍ら、多くの著書を執筆しました。これらの著書は、専門家だけでなく、一般の読者にも動物学の面白さを伝えるものでした。

『クモの生活』同和春秋社 (観察と実験文庫)1952
『カブトガニの不思議 「生きている化石」は警告する』1991 岩波新書
『川と水田に囲まれた村 はるかなる心の自然』制作同人社 1997
共著編
『生物質問箱 身近な生物から遺伝子工学まで』岩波洋造、草薙昭雄共著 [講談社] 1981
『カブトガニの生物学』編 サイエンスハウス 1984
* 『日本カブトガニの現況』編 日本カブトガニを守る会 1989

人柄と業績

関口晃一は、温厚な人柄で多くの人に慕われました。研究者としてだけでなく、教育者としても、多くの学生を育て、日本の動物学の発展に貢献しました。彼の業績は、日本の動物学の歴史に深く刻まれています。

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