関東学院大学大沢記念建築設備工学研究所

大沢記念建築設備工学研究所

大沢記念建築設備工学研究所（おおさわきねんけんちくせつびこうがくけんきゅうしょ）は、英称を Osawa Memorial Institute of Architectural Environmental Engineering、略称を設工研とする、関東学院大学に設置されている附置研究所です。神奈川県横浜市金沢区六浦東1-50-1、同学の金沢八景キャンパス内に所在しています。

設立の背景と沿革

本研究所の歴史は、それに先立つ1965年に関東学院大学工学部が国内で初めて建築設備工学科を設置し、建築設備分野の技術者育成を開始したことに端を発します。この画期的な教育活動を研究面から強力に支える必要性が認識されるとともに、進化し続ける建築設備技術のさらなる発展、実務に携わる技術者への継続的な教育（再教育）、そして大学と産業界が連携して新たな技術開発に取り組む産学共同研究の場としての役割が強く要望されました。これらの要請に応えるため、篤志家からの寄付に加え、神奈川県および横浜市からの助成を受け、1968年5月18日、関東学院大学金沢八景キャンパス内に独立した研究機関として、大沢記念建築設備工学研究所は開設されました。

研究活動と特色

設立以来、本研究所は建築設備および環境共生技術を中心に、幅広い分野にわたる研究活動を展開しています。主な研究領域は以下の通りです。

建築環境工学（空気、熱に関する分野）
建築設備（特に空調システム）分野
給排水衛生設備および環境工学分野
熱工学および空気調和工学分野
建築電気設備工学分野
環境工学分野
建築デザインおよび計画分野

特に注目すべきは、2005年に文部科学省の学術フロンティア推進事業に採択され、大規模なリニューアル工事が行われたことです。この改修により、研究所は「総合的なサスティナブル建築＝環境共生技術フロンティア」としての機能を強化し、建物全体が環境共生技術の研究・実験のための巨大かつ総合的な装置として再生されました。これにより、実環境に近い条件下での様々な実験や検証が可能となり、研究活動の質を飛躍的に向上させています。

主要な研究設備

サスティナブル建築や環境共生技術に関する高度な研究を推進するため、研究所には多岐にわたる専門的な研究設備が整えられています。主な設備は以下の通りです。

建築環境設備シミュレーションタワー
次世代型空調システム性能試験室
環境制御シミュレーションルーム
雨水循環・排水再利用設備
気流・水流シミュレーター
都市環境計測設備
橋梁構造物劣化診断装置
環境実験土槽
材料耐久試験機
都市自然災害シミュレーション設備
常時微動計測装置
* 地盤環境計測装置

これらの先進的な設備を活用することで、建築物の環境性能評価、新たな設備システムの開発・検証、都市環境における様々な現象の解明など、多角的なアプローチによる研究が進められています。建物自体が実験装置であるという特性と相まって、実践的かつ応用性の高い研究成果が生み出されています。

所在地

〒236-8501 神奈川県横浜市金沢区六浦東1-50-1（関東学院大学金沢八景キャンパス内）

公式サイト

詳細については、関東学院大学大沢記念建築設備工学研究所の公式サイトをご参照ください。

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