関西エクスプレス

関西エクスプレスの歴史と現状

関西エクスプレスは、日本航空（JAL）が運航していた長距離国際線の名称であり、その主な発着地は関西国際空港でした。国際空港としての関空は1994年に開港し、以来、JALは国内線と国際線の重要な乗り継ぎ拠点としての地位を確立。初めは、ロンドン、パリ、ロサンゼルスの3路線を長距離国際線として就航させ、特にロサンゼルス線は週7往復の運航を行っていました。

初期の運航と名称の変遷

関西国際空港は、既存の大阪国際空港（伊丹空港）に比べ、都心からやや距離がありましたが、24時間運用が可能な国際空港として大きな期待を寄せられていました。JALは、ホノルルやアジア路線を伊丹から関空に移管するとともに、長距離国際線としてロンドンへの週4往復、パリへの週3往復、そしてロサンゼルスへの毎日運航を開始しました。これらの路線は最初に「関西エクスプレス」と名付けられましたが、その後、名称はあまり使用されなくなりました。

路線の縮小と運休

しかし、2000年代に突入すると、アメリカ同時多発テロ事件やSARSの影響などで旅客需要が減少し、徐々に路線の整理が進みました。2006年にはロサンゼルス線が運休し、関空からの長距離国際線はロンドン線のみとなり、最終的に2009年に運休。その結果、成田国際空港以外からの長距離国際線は姿を消すことになりました。

ロサンゼルス線の再開と現状

関西国際空港が開港20周年を迎えた2014年に、JALは関西-ロサンゼルス線の再開を発表しました。2015年に再開されたこの路線は、ボーイング787が使用されており、利便性の向上を図った結果、ビジネスクラスの需要も徐々に回復。2019年には新型機ボーイング787-9を導入し、座席数も増加、快適性が向上しました。

しかし、2020年には新型コロナウイルスの影響で運休となり、その後スケジュールの見直しが行われました。それでも、2023年に入ると、再び運航が再開され、週4便に増便されるなど回復の兆しが見え始めています。

今日の機材とコードシェア

現在、関西-ロサンゼルス線にはボーイング787-9が使用されており、過去にはボーイング777-200ER、MD-11、747-400などが利用されていました。JALはアメリカン航空と共同事業を行っており、ロサンゼルス線も一部コードシェア便として販売されています。

日本航空の関西国際空港からの長距離国際線は、歴史の中で多くの変遷を経て今に至るまで、利用者のニーズに応えながら進化を続けています。

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