関西社会人リーグ (ラグビー)

「関西社会人リーグ」は、かつて日本において開催されていた社会人ラグビー（15人制）の地域リーグの一つです。関西ラグビーフットボール協会の主催により、1958年度から2002年度まで、45シーズンにわたって実施されました。全国リーグが未創設だった時代には、東日本社会人リーグ、西日本社会人リーグと並び、国内社会人ラグビーの最上位リーグとして位置づけられていました。1962年度からは3部制を導入するなど、多くのチームが参加できる体制が整えられていきました。

リーグ創設の背景には、戦後の社会人ラグビー、特に全国社会人ラグビー大会の発展がありました。大会の盛り上がりとともに、関西地区のチームも力をつけ、1957年、1958年の全国大会での活躍は、その実力を広く示しました。こうした関西チームの隆盛を背景に、統一的なリーグ戦を実施しようという機運が高まります。

関西でのリーグ創設は、関西ラグビーフットボール協会の下で推進されました。朝日新聞運動部の鹿子木聡氏が調整役となり、「関西社会人A級リーグ」として組織化が図られます。こうして1958年10月26日、記念すべき第1回関西社会人リーグが開幕。初年度は近鉄、京都市役所、大阪府警、川崎重工、大阪鉄道局の5チームが参加し、同年12月まで開催されました。

リーグの歴史を通じて、いくつかの強豪チームが覇権を争いました。開幕当初は近鉄が圧倒的な強さを誇り、初年度から11年連続を含む17回の優勝を記録しました。1966年度にトヨタ自工（現在のトヨタ自動車）が加盟すると勢力図は変化し、トヨタ自工は1976年度から8連覇を達成します。さらに、1976年度に1部昇格を果たした神戸製鋼が力をつけ、1980年代以降は神戸製鋼とトヨタ自動車の二強時代を迎えます。神戸製鋼は1983年度に初優勝後、1989年度から1993年度にかけて5連覇を含む12回の優勝を飾りました。

しかし、日本ラグビー界全体の再編に伴い、関西社会人リーグは2002年度をもってその歴史に幕を下ろしました。翌2003年に新設されたジャパンラグビートップリーグと、その下の地域リーグであるトップウェストへと移行・統合される形となりました。

リーグの45シーズンの歴史の中で、多くの記録が生まれました。創設から終了まで全シーズン1部に在籍したのは近鉄のみです。最多優勝は近鉄の17回、通算勝利数ではトヨタ自動車が193勝を記録しています。また、近鉄による11連覇は、リーグ史上最長の連続優勝記録です。関西社会人リーグは、日本の社会人ラグビーが発展する上で重要な役割を果たした歴史的な舞台でした。

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