闇金ウシジマくん (映画)

闇金ウシジマくん 映画シリーズ：過酷な現実と人間の闇を描く社会現象

『闇金ウシジマくん』映画シリーズは、真鍋昌平による同名漫画を原作とする人気作品です。2012年から2016年にかけて、全4部作（Part1～Part3、The Final）が公開され、社会現象を巻き起こしました。テレビドラマシリーズの劇場版として制作され、山田孝之が主人公の丑嶋馨を演じ、圧倒的な存在感を示しました。各作品は15歳以上を対象としたPG12指定となっています。

Part1：闇の世界への入り口

Part1は、2012年8月25日に公開されました。テレビドラマ版で監督を務めた山口雅俊がメガホンを取り、山田孝之に加え、大島優子（当時AKB48）、林遣都らが出演。原作の「ギャル汚くん」と「出会いカフェくん」のエピソードをベースに、非合法な金融の世界に足を踏み入れた若者たちの苦悩を描いています。大島優子は、本作での演技が評価され、北米最大の日本映画祭「JAPAN CUTS」で「Cut Above Award for Outstanding Debut」を受賞しました。公開初日2日間で興行収入7500万円を記録するなど、大きな注目を集めました。

丑嶋馨は、カウカウファイナンス社長として、違法な高利貸しを行い、取り立てを行う中で逮捕される場面も描かれます。愛車はアルファードからハマーH2に変更されています。未来、純、根岸といった、それぞれの人生に問題を抱えた登場人物が丑嶋と関わり、彼らの破滅への道を辿っていく様子が克明に描かれています。

Part2：ヤンキーとホストの抗争

2014年5月16日に公開されたPart2は、ドラマSeason2に続く作品で、山田孝之と山口雅俊監督が続投。綾野剛演じる戌亥も登場し、原作の「ヤンキーくん」と「ホストくん」をベースに、映画オリジナルの展開が加えられています。カウカウファイナンスの資金を狙うヤンキーや、ホストとして成功を目指す若者など、多様な登場人物が登場し、丑嶋との壮絶な闘いが描かれています。菅田将暉、窪田正孝など、若手実力派俳優陣の演技も見どころです。

特に、カウカウファイナンスの資金を狙うヤンキーグループとの抗争、ホストクラブで働く若者の葛藤、そして、闇金融ライノー・ローンの女経営者・犀原茜との対立が物語を盛り上げます。

Part3：フリーエージェントと中年会社員の苦悩

2016年9月22日公開のPart3は、原作の「フリーエージェントくん」と「中年会社員くん」が題材。ネットビジネスで成功を目指す派遣労働者や、不倫に悩むサラリーマンなど、現代社会の様々な問題を浮き彫りにしています。白石麻衣（当時乃木坂46）、本郷奏多、藤森慎吾（オリエンタルラジオ）らが出演し、新たなキャストによる演技も魅力です。

フリーエージェントを目指す若者、不倫に悩むサラリーマンとその妻、そして彼らをとりまく人々の葛藤が複雑に絡み合い、現代社会の闇を深くえぐり出します。

The Final：丑嶋の過去と因縁

最終作となるThe Finalは、2016年10月22日に公開。原作の「ヤミ金くん」をベースに、丑嶋の少年時代や、彼を取り巻く因縁が明らかになります。永山絢斗、間宮祥太朗、安藤政信など実力派俳優たちが脇を固め、丑嶋の過去と現在が交錯する、シリーズ最高潮のクライマックスを飾ります。

丑嶋と戌亥の少年時代、そして、彼らの因縁が描かれ、丑嶋の生い立ちや、彼を闇の世界へと突き動かした過去が明らかになります。貧困ビジネスに巻き込まれる若者や、丑嶋に復讐を誓う者たちの存在も、物語に重みを加えています。

シリーズ全体の特徴

全4部作を通して、Superflyが主題歌やイメージソングを担当。その力強い音楽も作品の雰囲気を高めています。各作品は、原作を忠実に再現しながらも、映画オリジナルの要素を加えることで、新たな魅力を生み出しています。過激な描写や、社会の闇を鋭くえぐるストーリーは、多くの観客に衝撃を与え、高い評価を得ています。また、個性的な登場人物たちの演技も、シリーズの大きな魅力の一つです。

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