阪急電鉄正雀工場

阪急電鉄正雀工場

阪急電鉄正雀工場は、大阪府摂津市にある阪急電鉄の重要な車両工場です。この工場は、正雀駅や正雀車庫と隣接しており、JR西日本の岸辺駅にも近い位置にあります。このため、JRの路線を利用した車両の輸送が可能となっています。

概要

正雀工場は1968年に開設されました。設立に際しては、隣接していた山陽特殊製鋼の工場跡地を買収し、使用されたのです。当時、民鉄界では「東洋一」とも称賛され、阪急および能勢電鉄のすべての車両の管理を行っていました。正雀車庫には、京都本線・千里線・嵐山線の全車両が収納されています。

工場内では、主に全般検査や重要部検査を行っており、新車両の搬入や改良工事、更新工事も手がけています。定期検査を受ける車両は、台車を取り外した後、35tのクレーンによって移動されます。このクレーンは、過去に導入された100型車両(P-6)の重量を考慮して設計されました。なお、かつては廃車車両の解体作業も行われていましたが、2013年以降はトレーラーを用いて金属リサイクル業者での解体に切り替わりました。また、能勢電鉄からの譲渡の場合、阪神本線を経由して尼崎工場で改造工事を実施します。

2004年にはアルナ車両の工場が正雀工場内に移転しました。

所属車両

正雀工場では、以下の系統の車両が保有及び管理されています。

• - 3300系
• - 5300系
• - 6300系
• - 7000系
• - 7300系
• - 8300系
• - 9300系
• - 1300系

さらに、以下の保存車両も工場内にあります。
1. 1形（1号） - 鋼体化改造後の仕様。
2. 10形（10号） - 元30号を復元したもの。
3. 100形（116号） - 1972年に廃車後、1997年に動態復元。
4. 600形（602号） - 2010年に川崎重工業から譲渡。
5. 900形（900号） - 1978年に廃車後、2000年に動態復元。
6. 2300系（2301号+2352号） - 2016年に廃車、現在は保存整備中。
7. 6300系（6350号） - 2016年に廃車。

公開イベント

工場では、年に2回、春と秋に「阪急レールウェイフェスティバル」が開催され、一般向けに工場が公開されます。このイベントは、正雀工場の25周年を記念して1994年に始まった「工場見学会」が起源で、1997年からは「阪急レールウェイフェスティバル」と名称を変更し、多様な年齢層の人々が参加できるイベントに発展しました。
当初は予約不要での入場が可能でしたが、2000年代の後半からは応募制となり、当選者のみが見学できるようになりました。

これらの詳細を通じて、阪急電鉄正雀工場が持つ重要性や、車両の維持管理、イベントの意義に触れることができるでしょう。

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