防共挺身隊

防共挺身隊の歴史と背景

防共挺身隊（ぼうきょうていしんたい）は、1955年に設立された右翼団体であり、その目的は左翼革命勢力の排除にありました。創設者は防共新聞社を運営していた福田狂二（素顕）の息子、福田進で、彼を中心に同団体が結成されました。この団体は、最初の段階では「大日本愛国党城南地区本部」という名称を使用していましたが、後に独立した組織として活動を展開しました。

設立当初のメンバーには、大日本愛国党の本部員である吉村法俊や中堂利夫が名を連ねており、彼らは後に同党から独立して全アジア反共青年連盟を結成します。防共挺身隊の設立は、戦後の日本の右翼運動において重要な位置を占めており、彼らの活動スタイルは多くの団体に影響を与えました。その影響力から、「行動右翼の祖」とも呼ばれています。

組織の発展と分裂

防共挺身隊はさまざまな団体と提携しており、かつては青年思想研究会（青思会）や大日本愛国団体連合、さらには時局対策協議会（時対協）に加盟していました。しかし、1990年に東京の早坂氏と関西の越川氏を中心とした2つのグループに分裂しました。この分裂は、内部分裂や意見の相違などが背景にあったと考えられています。

その後、関西本部は防共連合会総本部へと改名し、別の方向性を模索し始めました。このような分裂が生じたことは、当時の右翼団体における派閥争いや思想の違いを通じて、どのように運動が変化していくかを示していると言えます。各派閥が独自の理念に基づいて活動を続けたことは、右翼運動の複雑なダイナミクスを示しています。

解散とその後

2009年には、三代目総隊長である對馬則政の逝去を受けて、防共挺身隊は解散に至りました。彼の死は団体にとって大きな痛手であり、その後の継続的な活動は難しくなってしまいました。この団体は解散したものの、その影響は関西をはじめとした地域での右翼運動に今も残されています。

防共挺身隊は、右翼活動の歴史の中で特異な役割を果たし、多くの団体に影響を与えた存在であったことは間違いありません。その活動は、戦後日本の政治的背景や社会状況を考える上で、重要な参考材料となるでしょう。その影響は今なお続いており、右翼運動の動向を理解するうえで欠かすことのできないポイントとなっています。

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