防火安全技術者

防火安全技術者

防火安全技術者は、2005年10月に東京都火災予防条例の一部改正によって設けられた技能資格です。この資格を持つ者は、火災予防に関する専門的な知識と技術を有していると認められます。

講習について

防火安全技術者の資格を得るためには、東京都が実施する講習を受講する必要があります。

受講資格

受講資格は特に定められていません。どなたでも受講できます。

講義内容

講習は3日間にわたって行われ、カリキュラムは以下の通りです。

1日目: 防火避難課程
2日目: 火気電気課程
3日目: 消防設備課程

各課程を修了することで、「防火安全技術講習修了者(第2種)」の資格が得られ、全課程を修了すると「防火安全技術講習修了者(第1種)」の資格が得られます。

効果測定

各専門課程の終了後には、効果測定（試験）があります。試験時間は20分で、10問の問題が出題され、6問以上の正解で合格となります。受講者の大半は業務に必要な知識を習得するために受講しているため、合格率は高い傾向にあります。

業務内容

防火安全技術者は、その資格の種類に応じて、以下の業務を行うことができます。

全課程修了者（第1種）

各種届出内容の調査
防火安全に関する助言
消防調査への立会い
優良防災対象物認定調査基準適合状況調査

一部課程修了者（第2種）

各専門課程に対応した以下の業務が可能です。

各種届出
優良防災対象物認定調査基準適合状況調査（防火避難課程及び火気電気課程修了者）

防火安全技術者の活用範囲

防火安全技術者の活用によって、建物やテナントの所有者等が義務付けられている届出や検査受検を省略できる場合があります。これは、防火安全技術者が工事等の設計時から竣工時まで関与し、消防法令への適合状況調査や助言を行うことを条件とするものです。具体的な例として、以下の制度があります。

消防用設備等設置計画の届出等省略: 消防用設備等の設置を行う際、防火安全技術者による適合状況調査や助言が行われた場合、工事着手前の消防署長への届出を省略できます。
防火対象物工事等計画の届出等省略: 防火対象物の工事を行う際、防火安全技術者が消防署の使用検査に立ち会うことを条件として、工事着手前の消防署長への届出を省略できます。
防火対象物一時使用開始届出の検査省略及び一時使用期間の延長: 防火安全技術者が所定の事前確認を行った場合、防火対象物の一時使用開始における消防署長による使用検査を省略できます。また、使用検査を受けた場合、一時使用期間を延長することができます。
禁止行為の解除承認申請の現地調査省略: 指定場所での喫煙等を行う際の禁止行為解除承認申請において、防火安全技術者が解除基準の適合状況を事前確認した場合、消防署長による現地調査が省略される場合があります。

他の資格との関係

防火安全技術者の資格を取得すると、防火管理技能講習の受講資格が得られます。また、防火管理技能講習の受講に際して、「火災安全工学の理論の基礎知識」の受講が免除されます。防火管理技能講習を修了すると、防火管理技能者の資格を得ることができます。

関連項目

日本の消防
消防法
自衛消防組織
自衛消防技術試験
防災センター要員
防火管理技能者
防火管理者

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