防災建築街区造成法

防災建築街区造成法について

概要

防災建築街区造成法は、昭和36年に成立した法律で、災害による被害を軽減するための建物やその敷地を整備することを目的としています。具体的には、地方公共団体や防災建築街区造成組合などが中心となり、火災や津波、高潮、出水などから住民を守るために、災害に強い建物を整えることを促進します。これにより、災害時の影響を低減し、市街地の安全性を高めることを目指しています。

法律の背景

この法律は、もともと1952年に制定された耐火建築促進法に起源を持ちます。耐火建築促進法では、防火区域における不燃建築物の設置を促進することを目的としていましたが、防災建築街区造成法ではその範囲が拡大され、より広範囲にわたって災害に強い地域を作ることが重視されています。特に、火災だけでなく、津波や高潮、出水といった水害も考慮に入れた法整備が行われています。

目的と定義

防災建築街区造成法の第1条では、都市における災害の防止を図ることを明記しており、土地の合理的利用や環境整備も重要な観点としています。また、第2条では、重要な用語についての定義が示されています。具体的には、災害とは火災や津波、高潮などを指し、防災建築物とは、これらの災害から弱い影響を受けにくい建物を指します。

街区の指定と整備

法律に基づいて、関係市町村の要請を受けて建設大臣が災害危険区域内で防災街区を指定します。この際、都市の中心的な場所において効果的に災害を防ぐための街区が選定されることが求められます。また、防災建築街区の整備は、単に建物を建設するだけでなく、地域の景観や利便性を考慮したものとされています。

事業の展開

防災建築街区造成事業は、昭和36年度から昭和43年度にかけて実施され、全国の68都市で287街区が指定されました。その中で合計33,223㎡の敷地に対して827,786㎡の防災建築物が整備されました。代表的な街区には、釧路北大通3丁目地区や横浜関内駅前街区などがあり、地域の安全性向上や景観改善などの成果が期待されています。

現在の効力

防災建築街区造成法は、都市再開発法の施行により廃止されましたが、過渡期の経過措置としてその効力が保たれています。これにより、地方公共団体が実施する防災建築街区造成事業は、依然として都市の安全性向上に寄与する重要な法律として機能しています。

まとめ

防災建築街区造成法は、災害に強い地域づくりを進めるための重要な法律です。地方公共団体が中心となって、地域の特性に応じた防災対策を実施し、住民の安全を確保することを目的としています。これにより、日本全国で防災意識の向上と地域の安全性が向上することが期待されています。

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