防災業務計画

防災業務計画とは

防災業務計画は、災害対策基本法（第36条から39条）に規定されている、災害に対する備えを強化するための重要な計画です。この計画は、指定行政機関の長と指定公共機関が、それぞれの役割と責任に基づいて作成します。

具体的には、内閣府や宮内庁などの指定行政機関は、その所掌する事務に関して、また、独立行政法人や日本銀行、日本赤十字社、NHKなどの指定公共機関は、その業務に関して、防災基本計画に基づいて計画を策定します。

計画の主な内容

防災業務計画の主な内容は、以下の通りです。

所掌事務・業務に関する計画： 各機関が担当する事務や業務に特化した防災計画を策定します。
地域防災計画との連携： 地域防災計画の内容に準拠し、整合性の取れた計画を作成します。
機関間の連携： 各機関が連携し、一体となって災害対応できるよう、計画段階から相互に連携を図ります。

計画を作成する機関

防災業務計画を作成する機関は、以下の2種類に大別されます。

1. 指定行政機関： 内閣府設置法に規定される内閣府、宮内庁、およびその他の内閣府に設置される庁や委員会などが該当します。
2. 指定公共機関： 独立行政法人、日本銀行、日本赤十字社、日本放送協会（NHK）などの公共的機関、および電気、ガス、輸送、通信などの公益事業を営む法人で、内閣総理大臣が指定するものが該当します。

計画の構成

防災業務計画は、地震、風水害など、想定される災害の種類ごとに構成されています。それぞれの災害に対して、以下の3つの段階に沿って対策が記述されます。

1. 災害予防： 災害の発生を未然に防ぐための対策（例：防災訓練の実施、防災設備の整備など）
2. 災害応急対策： 災害が発生した場合の応急的な対策（例：避難誘導、救助活動、医療活動、緊急物資の輸送など）
3. 災害復旧・復興： 災害からの復旧・復興に向けた対策（例：インフラの復旧、住宅の再建、被災者の生活支援など）

これらの対策は、災害対策の時間的な順序に沿って記述されており、各機関が連携して効率的に災害対応を進めるための指針となります。

関連計画

防災業務計画は、以下の計画と密接な関係があります。

防災基本計画： 防災業務計画の上位計画であり、防災に関する基本的な方針が定められています。
* 地域防災計画： 都道府県や市町村が作成する防災計画であり、地域の実情に合わせた対策が盛り込まれています。

防災業務計画は、これらの計画と連携することで、より効果的な災害対策を実現することを目指しています。

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