防衛省全国情報施設協議会

防衛省全国情報施設協議会：日本の領空を守る地域の取り組み

防衛省全国情報施設協議会は、航空自衛隊のレーダーサイトと通信所の所在市町村議会議長によって構成される組織です。北海道から沖縄まで、全国各地に点在するこれらの重要な防衛施設を管轄する自治体の代表者たちが集まり、共通の課題解決や地域の発展に貢献しています。

設立の経緯：交付金の対象拡大に向けた長年の努力

日本の領空を守るため、全国各地に航空自衛隊のレーダーサイトと情報本部通信所が設置されています。これらの施設は国防上、極めて重要な役割を担っていますが、長らく国からの基地交付金の対象外でした。基地交付金は、米軍や自衛隊の施設に対する固定資産税の代替として交付されるもので、飛行場や演習場などは対象となっていましたが、レーダーサイトや通信所は対象外だったのです。

この状況を改善するため、関係市町村は長年にわたり国への要請を続けてきました。しかし、なかなか成果が出ない中、当時の男鹿市議会議長や旧美保関町議会議長（現松江市）らの尽力により、2001年8月、防衛省全国情報施設協議会が設立されました。当初は23市町村が参加し、現在は36市町村に拡大しています。

設立後：法改正と継続的な活動

協議会設立後は、国会議員との連携を強化し、基地交付金の対象にレーダーサイトと通信所を含めるよう働きかけました。その結果、2005年には「基地交付金に関する法律の一部改正」が成立し、長年の課題であった交付金の対象拡大が実現しました。

協議会はその後も、防衛省や関係省庁への要望活動、会員相互の連携強化、情報交換などを継続的に行っています。毎年秋には、防衛省情報施設振興議員連盟を中心に、施設の更新や交付金予算の増額に向けて積極的に働きかけています。また、7月には総会を開催し、情報施設の抱える問題点について協議しています。

主な活動内容：3つの柱

協議会の活動は大きく3つの柱から成り立っています。

1. 日本の領空、国民の生命・財産を守るため能力向上型に向けたレーダーサイト等の早期更新: 老朽化した施設の更新は、安全保障の観点からも喫緊の課題です。協議会は、最新の技術を導入した近代的な施設への更新を強く求めています。

2. 基地交付金の予算増額及び対象施設の拡大: 交付金の増額は、地域経済の活性化にもつながります。協議会は、交付金の対象施設の拡大と予算増額に向けて、継続的な働きかけを行っています。

3. 会員相互の連携強化と会員の増強: 会員同士の連携を強化することで、より効果的な活動を行うことができます。協議会は、新規会員の加入促進にも力を入れています。

まとめ

防衛省全国情報施設協議会は、地域と国の安全保障を繋ぐ重要な役割を担っています。関係者間の連携を密にし、日本の領空を守るため、今後も活動を続けていくでしょう。

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