阻塞弾発射機

阻塞弾発射機について

阻塞弾発射機（そさいだんはっしゃき）は、第二次世界大戦の日本陸軍によって開発された対空兵器です。この発射機は、主に「七糎打上筒」と「八糎打上筒」の二種類があり、その目的は地上部隊を超低空の敵機から防御するための弾幕を形成することでした。発射される弾薬は「阻塞弾」と呼ばれ、特定の方式で空中に配置されることで、敵機の進行を妨げました。

概要

阻塞弾発射機の開発は、昭和15年から昭和17年にかけて行われ、特に敵機が低空を飛行する際の攻撃から部隊を守るために考案されました。発射された阻塞弾は、400メートルの高さで破裂し、内部に詰め込まれた7個の子弾を散布します。この子弾は、さらに内部に込められた爆筒を発射する仕組みになっています。

命中率は、カーチスP40のような航空機に対して計算され、子弾から発射される爆筒が特定の範囲に散布されることで、弾幕を形成します。20発の阻塞弾を打上げることで、命中率が大幅に向上することが見込まれました。これにより、空中に多層の弾幕が形成され、敵機に対する防御効果を高めていくことを狙ったのです。

構造と使用法

発射機は主に軽量で、訓練を受けていない兵員でも扱いやすく、夜間の使用や困難な地形においても機能するため、戦場での利便性が高い特徴を持っていました。しかし、発射機の有効高度は低く、連続的に打上げるためには相当量の弾薬が必要であったため、運用には工夫が求められました。

発射機の使用方法は比較的簡単で、風向きを考慮して支柱を設置し、射角を調整することで弾幕を形成しました。陣地に配備された数量は20門程度で、毎分20発程度のペースでの打上げが行われました。

開発と運用実績

昭和15年には初めて公開され、以降、実用試験を経て改良が進められていきました。昭和19年には、海軍もこの阻塞弾発射機を使用し、呉軍港に対する空襲において敵艦載機を撃墜するに至ったという実績も残されています。

七糎打上筒

この発射器は820mmの長さを持つ鋼製の筒で、設計もシンプルで耐久性が高く、多数の陣地に配備されました。内部には撃針があり、弾薬が装填されると、撃針が雷管を突いて発射する仕組みです。

八糎打上筒

八糎打上筒は、七糎とほぼ同様の構造を持ちながら、より大きな口径を特色としています。こちらも軽量でありながら効果的な弾幕を形成する能力を備えています。

様々な弾薬

阻塞弾には多様なバリエーションがありました。特に七糎打上阻塞弾は、高度400mで破裂し、子弾を散布する能力を持ちながら自爆機能も果たしました。また、試製の阻塞弾や煙弾、照明弾なども開発され、戦局に応じた適切な対応を可能にしていました。

まとめ

阻塞弾発射機は、敵機の侵入を防ぐための革新的な兵器として注目され、数々の戦局に影響を与えました。その効果的な運用と多様な弾薬の展開は、戦争の様相を一変させる可能性を秘めていました。

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