阿萬亜里沙

阿萬 亜里沙の経歴

阿萬亜里沙（あまん ありさ）は日本の陸上競技界に名を刻んだ元選手で、特に100メートル走の競技において顕著な成果を上げている。彼女は宮崎県日南市で生まれ、その後宮崎市に移り住んだ。

幼少期と陸上競技の始まり

小学生時代、喘息を抱えながらも、運動会での徒競走では常にトップの成績を収めていた。スポーツにおける才能を早くも発揮していた阿萬は、中学校に進学する際には新体操に興味を持ったものの、陸上部にスカウトされる形で陸上競技に転向。3年生の時には、ジュニアオリンピックで見事に優勝を果たした。

高校時代の飛躍

その後、宮崎工業高校に進学した阿萬は、コーチである藤井晃治の指導を受ける。1年生の時には全国高等学校総合体育大会（インターハイ）で準決勝に進出するも、その後の秋に100メートルで11秒台を記録し、徐々に注目される選手へと成長していった。2年生になると、インターハイの100メートル決勝で当時の日本記録よりも優れた11秒73を記録し、優勝を飾る。この記録は、1991年まで13年間破られることがなかった。

決勝においては、低い姿勢から一気に飛び出し、まるで平蜘蛛のようなスタートを見せたと報道された。彼女の瞬発力とスタートの素早さは特筆するべきものであった。

3年生のインターハイでは、100メートルの2連覇を達成し、さらに200メートルでも優勝を果たすという快挙を成し遂げた。特に、1981年10月の宮崎国体では、選手宣誓を務めた後、200メートルでも優勝し、24秒29という好タイムを記録したが、風速制限により公認記録にはならなかった。

大学進学とその後

阿萬はその実績にもかかわらず、陸上競技を嫌々続けていた過去が影響し、福岡女学院大学の短期大学部に進学。その後、創作ダンスに取り組む日々を送る。しかし、2年以上も陸上から離れていた彼女は、再び陸上に挑戦したいという想いを抱くようになる。1982年には短大を卒業し、テレビ宮崎に勤務しながら自ら練習を再開した。

高校時代のコーチから練習メニューを指導を受けながら、彼女は他のアスリートたちと共に練習し、全国レベルでの復帰を図った。同年の秋には全日本実業団対抗大会で100メートルに出場し、そのタイムは12秒38、結果として2位を獲得することとなった。

1983年には再び11秒台をマークし、全日本実業団対抗大会で優勝を果たした。その後、全日本選手権でも2位となり、彼女の復活を印象づけた。しかし、1986年の宮崎県選手権を最後に、彼女は陸上現役選手としてのキャリアを終えることになる。

引退後の生活

1987年には、宮崎工業高校時代の同級生であり、サッカーのユース代表としても活躍した選手と結婚した。その後の生活では、阿萬は陸上競技からは距離を置きながらも、彼女自身の経験と記録を今に伝えている。

自己記録

• - 100メートル: 11秒73（+1.7ｍ） — 1978年8月3日

このように、阿萬亜里沙は少年時代から数々の困難を乗り越え、一流のアスリートへと成長していった。それぞれの大会での彼女のパフォーマンスは、多くの人々に感動と勇気を与え、今なお記憶に残る存在である。

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