阿部亀彦

阿部亀彦は、1875年（明治8年）に大分県で生まれ、1928年（昭和3年）に生涯を閉じた内務官僚です。藩士の家に生まれましたが、後に伯父の養子となりました。第五高等学校を経て、1904年に東京帝国大学法科大学を卒業後、1905年に文官高等試験に合格し、内務省に入省しました。

内務省では、静岡県を皮切りに、宮崎県、栃木県、福島県、埼玉県、宮城県、兵庫県と、各地の県庁で要職を歴任しました。その間、事務官や部長として、地方行政に携わり、その手腕を発揮しました。特に、警察部長としての経験は、その後の行政手腕に大きな影響を与えたと考えられます。

1919年（大正8年）には、高知県知事に任命され、初めて県政のトップに立ちました。その後、1922年には広島県知事に転任し、両県で県政を担いました。知事として、県民の生活向上や地域発展に尽力しましたが、1923年に知事を辞任し、官界を退きました。

阿部亀彦は、内務官僚として地方行政に深く関わり、県知事としてもその手腕を発揮しました。その功績は、日本の地方自治制度の発展に大きく貢献したと言えるでしょう。また、退官後も板垣伯銅像記念碑建設同志会の会長を務めるなど、社会活動にも積極的に参加しました。

家族としては、妻のミサホがいます。彼女は、著名な菊池武夫の四女です。

阿部亀彦の生涯は、日本の近代化の過程における地方行政の重要性を物語るものであり、彼の業績は、今日の地方自治を考える上でも、重要な示唆を与えてくれます。彼の詳細な経歴は、参考文献として挙げられている『新編日本の歴代知事』や『日本官僚制総合事典』などで確認することができます。

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