阿部亮

阿部 亮（あべ りょう）

1976年生まれの日本の司法書士、そしてラジオパーソナリティ。そのキャリアは極めて多角的であり、専門職としての活動と並行して、精力的な社会貢献活動を展開している点で知られています。

経歴と人物

北海道札幌西高等学校を卒業後、19歳の時に陸路での世界一周を経験しました。帰国後もその活動的な精神は衰えず、新聞配達、建設現場、工場勤務といった肉体労働から、人材派遣業や営業職に至るまで、実に20種類を超える様々な職業に就き、幅広い社会経験を積みました。こうした多様なバックグラウンドを経て、28歳で司法書士の資格を取得。法律の専門家として新たな一歩を踏み出します。2008年3月には、自らの手で司法書士法人新宿事務所（現在の司法書士法人中央事務所）を設立し、代表に就任しました。しかし、設立から約9年後の2017年3月31日をもって同法人の代表を退任。その後、2017年4月1日には株式会社NejiLawの相談役に就任しています。

社会貢献活動

阿部氏の活動は、司法書士としての業務の枠を大きく超え、国内外での活発な社会貢献活動に注がれています。2009年には、日本の孤児院で生活する子どもたち約60名を東京ディズニーランドに招き、忘れられない一日をプレゼントしました。

さらに、教育機会に恵まれない世界の子どもたちのために、2010年からは毎年1校ずつ学校を建設するという長期的な目標を掲げ、これを実行に移しています。これまでに、ネパールに4校、ミャンマーに6校、カンボジアに1校、そしてアフリカのブルキナファソに1校と、合計12校もの学校が、彼の支援によって建設されています。これは、貧困地域における子どもたちが基礎教育を受けるための重要な基盤となっています。

教育支援と並行して、医療分野への貢献も行っています。2018年には、カンボジアに建設された「アジアこども医療センター」の設立に深く関わりました。この医療センターは、アジア地域における小児がん治療の拠点となることを目指しており、困難な病と闘う子どもたちとその家族に希望をもたらしています。これらの社会貢献活動は、自身が設立した（一社）阿部亮財団を通じて推進されているようです（外部リンク情報から推測）。

メディア活動

社会への啓発活動や自身の見聞を伝えるため、メディアでの発信も積極的に行っています。ニッポン放送では、2010年からラジオ番組「阿部亮のNGO世界一周!」のパーソナリティを務め、自身のNGO活動や世界各地での経験、社会問題について語っています。また、夕刊フジにおいても、2014年2月から2017年5月にかけてコラム「阿部亮のつぶやき世界一周！」を連載し、幅広い読者に向けてその活動や考えを発信していました。

受賞歴

長年にわたる多大な社会貢献活動の功績は、国内外で高く評価されています。2019年11月25日には、社会貢献に顕著な業績を挙げた個人や団体に贈られる第53回社会貢献者表彰（日本財団賞）を受賞しました。また、2021年7月31日には、国や公共への功労や特定の分野での功績に対して授与される日本の栄典である紺綬褒章を受章しています。

著書

自身の専門知識や経験、そして社会へのメッセージは、複数の著作として発表されています。

『オンライン時代の新不動産登記実務』（2005年、経済法令研究会）
『NGO世界一周！』（2011年、扶桑社）
『世界は解らないコトだらけ、なので調べてみた』（2015年、扶桑社）
『ますます、世界は解らないコトだらけ、なので調べてみた』（2017年、扶桑社）

司法書士としての専門性と、異文化体験、多様な職歴から培われた広い視野、そして困窮する人々への深い共感。これらが阿部亮という人物を形作り、その原動力となって、教育や医療といった分野での具体的な支援を世界各地で実現させています。彼の活動は、一人の人間が多様な経験を社会のためにどのように活かせるかを示す模範と言えるでしょう。

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