阿部次男

阿部 次男

阿部 次男（あべ つぎお）は、1972年12月11日生まれ、群馬県出身の元社会人野球選手（投手）であり、引退後はSUBARU硬式野球部の監督を務めた人物です。

経歴

利根商業高等学校を卒業後、1991年に当時の富士重工業（現在のSUBARU）に入社し、同社の硬式野球部の一員となりました。長きにわたりチームの主力投手として活躍。キャリア初期には目立ったタイトル獲得には至りませんでしたが、地道な努力と経験を積み重ねました。

選手としての栄光

阿部投手のキャリアが輝きを放ったのは、ベテランの域に達してからでした。2006年の社会人野球日本選手権では、チームを劇的な優勝へと導く原動力となり、自身も大会の最優秀選手賞（MVP）に輝きました。これは彼の選手生活における最大の功績の一つと言えるでしょう。

さらに、2008年の都市対抗野球大会では、1回戦のTDK千曲川戦に先発登板し、7回途中までで実に16個もの三振を奪う圧巻のピッチングを見せました。これは都市対抗野球大会の個人最多奪三振記録（17個）にあと1つと迫る記録的な内容であり、その功績が称えられ、大会選考委員会特別表彰である小野賞を受賞しました。

日本代表選出と現役引退

2010年には、野球人としてのキャリア20年目という節目に、第16回アジア競技大会の野球日本代表に選出されるという栄誉に浴しました。チームは銅メダルを獲得し、長年の実績が国際舞台での活躍へと繋がりました。

翌2011年には、都市対抗野球大会本大会への10年連続出場を達成し、その功績が表彰されました。しかし、この年は公式戦での登板機会はなく、この記録達成を最後に現役を退くことを決めました。長きにわたる選手生活に静かに幕を下ろしました。

指導者として

現役引退後は、一度社業に専念しましたが、2013年夏から野球部にヘッドコーチとして復帰しました。指導者としては、特に投手陣の育成に手腕を発揮し、当時頭角を現していた東明大貴投手らを筆頭に、強力な投手王国を築き上げました。ヘッドコーチとしてチームを牽引し、第39回社会人野球日本選手権大会、そして第85回都市対抗野球大会と、主要二大大会で連続してチームを準優勝へと導くなど、その指導力は高く評価されました。

2017年7月1日には、その功績と経験が買われ、監督に昇格しました。しかし、2019年7月をもって監督の座を退き、チームを離れました。

人物・エピソード

若き日のエピソードとして特筆されるのは、プロ野球選手として活躍した斎藤佑樹氏との関係です。斎藤氏が小・中学生の頃、阿部氏から野球の指導を受けた経験があり、後に斎藤氏が目標とする選手として阿部氏の名前を挙げたことは、両者の師弟関係と阿部氏が若手育成に与えた影響を示すものとして知られています。

功績

選手・指導者としての阿部次男氏の主な功績は以下の通りです。

表彰
第33回社会人野球日本選手権大会最優秀選手賞（2006年）
第79回都市対抗野球大会小野賞（2008年）
記録
都市対抗野球大会10年連続出場表彰（2011年）
代表歴
* 第16回アジア競技大会野球日本代表（2010年）- 銅メダル

阿部次男氏は、長年にわたり社会人野球界、特にSUBARU硬式野球部の歴史において、選手そして指導者として多大な貢献を果たした人物と言えるでしょう。

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