阿部香菜

阿部香菜の経歴と成績

阿部香菜（あべ かな）は1988年4月25日生まれ、宮城県石巻市から来た元柔道選手です。彼女の身長は160cmで、63kg級で戦っていました。得意技は内股、組み手は左組みで、参段の段位を持つ彼女は、アスリートとしてだけではなく、柔道界で重要な人物として知られています。

人物背景

阿部は柔道を姉の影響で3歳のときから始めました。彼女の柔道キャリアの出発点は、みなと柔道会での経験です。渡波中学では、全国中学校柔道大会で70kg級に出場し、5位入賞を果たしました。その後、東北高校に進学し、63kg級に階級を変更。3年次のインターハイでは2位の成績を収め、アジアジュニア選手権では優勝も果たしました。この大会で、世田谷学園高校の海老沼匡と出会い、後に彼と結婚します。

高校卒業後の2007年には三井住友海上に入社。2010年のワールドカップ・ブダペストでは優勝を成し遂げたものの、その後体重別の初戦で敗れる苦しい経験をします。

さらに2011年には、ワールドカップ・オーバーヴァルトでの2位を含む数々の試合を経て、体重別選手権では準決勝で2010年の世界選手権2位の田中美衣を破り、優勝を収めました。彼女はこの年、東日本大震災による自宅の浸水被害にも見舞われましたが、家族の無事を確認し、優勝を誓ったことが特に印象的です。

競技成績

阿部香菜の戦績は非常に優れています。彼女は次のような成績を収めました：

• - 2006年 - インターハイ2位、アジアジュニア優勝
• - 2010年 - ワールドカップ・ブダペスト優勝、実業柔道選手権優勝
• - 2011年 - グランドスラム・リオ優勝
• - 2012年 - 世界団体、講道館杯優勝
• - 2013年 - ワールドマスターズ優勝、グランドスラム・東京優勝
• - 2014年 - グランドスラム・チュメニ優勝

特に、2011年のグランドスラム・リオでは、準決勝で際立った内股を決め、大会を優勝で締めくくりましたが、翌年の世界選手権では残念ながら初戦敗退となってしまい、ロンドンオリンピックへの道のりが険しくなりました。

結婚と引退

2014年12月22日、彼女は柔道選手の海老沼匡と結婚しました。彼女の夫は、柔道の全日本選手権で数々の成功を収め、66kg級を3連覇しています。プロポーズはリムジンの車内で行われ、阿部はこの特別な瞬間についても語っています。

その後、阿部は三井住友海上を退社し、全柔連に強化指定選手の辞退届けを提出し、現役を引退しました。彼女の柔道人生は、記憶に残る数々の試合と勝利で彩られており、多くのファンに愛されました。阿部香菜の活躍は、柔道界の宝として語り継がれることでしょう。

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