附則

附則（ふそく）とは

附則とは、法令において、本則（ほんそく）と呼ばれる主要な規定に対して、付随的な事項を定める部分のことです。法令は、本則と附則の二つの部分で構成されており、附則は本則を補完する役割を果たします。本則に直接関係のない事項が附則に規定されることはありません。

附則の内容

附則には、主に以下の内容が規定されます。

施行期日：法令がいつから効力を持つかを定める規定。
経過措置：法令の施行に伴い、既存の法律関係に影響が生じる場合に、その影響を調整するための規定。
関係法令の改廃：法令の制定や改正に伴い、他の法令を改正または廃止するための規定。

これらの規定は、法令が円滑に施行され、社会に混乱が生じないようにするために必要不可欠です。

附則の形式

附則は、本則と同様に、条または項の形式で定められます。一つの本則に対して、一つの附則が定められるのが一般的です。

法令を改正する場合、改正対象となる法令（本法）に対して、新たな一部改正法令が制定されます。この一部改正法令も、それ自体が独立した法令であり、本則と附則で構成されます。

改正対象法令の附則を「原始附則（本法附則）」、一部改正法令の附則を「改正附則」と呼んで区別することがあります。

一部改正法令が施行されると、改正附則のうち改正規定と本則は改正対象法令に組み込まれ、実質的には改正附則のうち施行期日などを定めた部分のみが意味を持つようになります。

附則の配置

附則の規定は、一般的に以下の順序で配置されます。

1. 施行期日に関する規定
2. 当該法令の施行地域を限定する規定または有効期間を定める規定
3. 当該法令の制定に伴って廃止すべき法令がある場合の、その廃止の規定
4. 当該法令の各規定の適用関係に関する規定
5. その他の経過措置に関する規定
6. 当該法令に関連して他の法令を一部改正する必要がある場合の、当該他の法令を改正する規定
7. 他の法令を改正する規定に伴う経過措置に関する規定

この順序は、法令の解釈や適用を円滑にするために重要です。

附則の重要性

附則は、本則を補完する重要な役割を果たしています。附則があることで、法令は制定された後も社会の変化に対応でき、安定した運用が実現できます。法令の改正時にも、附則は改正後の法令の効力を明確にし、混乱を防ぐ役割を果たします。

関連事項

法令の基本形式

外部リンク

* 参議院法制局法制執務コラム集「見落とせない附則」

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