附帯決議

附帯決議について

概要

附帯決議（ふたいけつぎ）は、国会の衆議院および参議院の委員会で法律案が可決された際に、委員会の意向を示すために行われる決議の一つです。このような決議は地方議会でも見られ、法律の本案に附帯して行われることがあります。メディアでは「付帯決議」と表記されることが多いですが、公式な資料では「附」という字が使われています。

意義と機能

国会委員会における附帯決議は、可決された法律案に対して、実施にあたっての希望や留意すべき事項を明示するためのものです。具体的には、以下のような機能があります。

• - 行政統制的役割：政府の行動に一定の制約を加えることで、行政の透明性や責任を高める。
• - 議事録的役割：法案に対する議員の懸念や意見を議事録として記録する手段。
• - 調整的役割：法案に対する合意や調整を促進するための役割。

附帯決議は多くの場合、全会一致で可決されますが、賛成多数での決議もあります。例えば、2016年に行われた衆議院の総務委員会では、特定の法律案に対して附帯決議が可決されています。

法的効力と政府の対応

附帯決議自体には法的拘束力がありませんが、立法府の意思を示すものとされ、政府はこれを尊重することが求められます。通常、政府を代表する大臣は附帯決議を尊重する旨の発言を行いますが、附帯決議の遵守状況を国会で指摘されることはあまりありません。したがって、附帯決議の遵守状況確認を制度化することや外部への報告が提言されています。司法の視点からも、いくつかの裁判において附帯決議が政府の方針転換の根拠として用いられた例が見られますが、基本的には法的効力を持たないとされています。

歴史的背景

附帯決議は、歴史的には帝国議会でも行われていました。その中には、1924年の第65回衆議院、1938年の第73回衆議院、1943年の第81回衆議院、1946年の第90回衆議院での事例があり、それぞれ異なる法案に対応した附帯決議が採択されていました。特に第90回の会議では地方自治法施行前の主権者についての決議が行われました。

地方議会での附帯決議

地方議会でも附帯決議が採択され、これには予算案などに関する意見や要望が含まれます。通常、この決議は委員会で原案が可決された後、本会議で行われます。特に重要なのは、附帯決議は議事日程に通常の決議案として記載されないことです。本案の可決後に附帯決議案を追加する手続きを経て提出されることが一般的です。

まとめ

附帯決議は国会および地方議会における重要な意思表明の一つです。法律の運用において、これに付随する意見や要望は、行政や政府に対する大切なメッセージとなりうるため、その役割は無視できません。

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