限界酸素指数

限界酸素指数（LOI）とは？

限界酸素指数（LOI: Limiting Oxygen Index）とは、物質、特にプラスチックやケーブルなどの重合体が燃焼を継続するために必要な酸素の最小濃度を百分率で表した指標です。簡単に言うと、空気中の酸素濃度がLOIを下回ると、その物質は燃焼を維持できなくなることを意味します。LOI値が高いほど、その物質は燃えにくいことを示します。

LOIの測定方法

LOIの測定は、厳格に標準化された試験方法に基づいて行われます。代表的な規格としては、ISO 4589やASTM D2863などが挙げられます。これらの規格に準拠した装置を用いて、酸素と窒素の混合ガスを燃焼中の試料に供給します。そして、試料の燃焼が継続できる限界の酸素濃度を測定することでLOI値を求めます。具体的には、酸素濃度を徐々に下げながら、試料が燃焼を継続できるか否かを監視します。燃焼が継続できなくなった時点の酸素濃度が、その物質のLOI値となります。

環境要因の影響

LOI値は、周囲温度の影響を受ける重要な特性です。周囲温度が高くなると、物質の燃焼に必要な酸素濃度は減少する傾向があります。これは、高温下では物質の熱分解が促進され、燃焼反応がより容易に開始されるためです。そのため、プラスチックやケーブルなどの材料のLOI値を評価する際には、室温だけでなく、高温下での値も測定することが重要です。実際の火災状況では、高温環境下にあることが多いため、高温でのLOI値は材料の耐火性を評価する上で非常に重要な指標となります。

LOI値と難燃性

大気中の酸素濃度（約21%）よりもLOI値が大きい材料は、一般的に難燃性材料と呼ばれます。これは、大気中では燃焼を維持できないほど、酸素に対する要求度が低いことを意味します。難燃性材料は、火災発生時の延焼防止や火災拡大の抑制に有効です。そのため、建築材料や電子機器など、安全性への要求が高い分野で広く利用されています。LOI値は、材料の難燃性を評価するための重要な指標として、製品開発や安全基準の策定に役立てられています。

まとめ

限界酸素指数（LOI）は、物質の燃えにくさを評価する上で重要な指標です。その測定方法や、周囲温度の影響、そして難燃性材料との関係性を知ることで、様々な材料の安全性評価に役立ちます。LOI値は、国際規格に準拠した試験によって正確に測定され、製品の安全性確保に貢献しています。

もう一度検索