陰陽師 (漫画)

漫画『陰陽師』の概要

『陰陽師』（おんみょうじ）は、夢枕獏の小説を原作とする岡野玲子の漫画作品です。この作品は1993年から2005年まで『コミックバーガー』や『コミックバーズ』などで連載され、2006年には第37回星雲賞のコミック部門を受賞しました。2021年時点では、シリーズの累計発行部数は600万部を超えています。

続編として『陰陽師 玉手匣』も登場しており、他にも夢枕獏の小説を漫画化した作品として、睦月ムンクの『陰陽師 瀧夜叉姫』と伊藤勢の『瀧夜叉姫 陰陽師絵草子』があります。

作品の概要

本作は、平安時代に生きた陰陽師・安倍晴明の物語を描いています。特に天徳から応和年間を舞台に、単行本は全13巻として白泉社から刊行されました。原作の忠実な再現よりも、設定を基にしたリメイク的な側面が強い作品であり、流麗な絵柄から当時の平安京の描写や怨霊のイメージが引き立っています。またオリジナルキャラクターも登場し、独自のストーリー展開が魅力の一つです。

特に後半では、登場人物の内面的かつ詳細な描写が強調され、夢枕獏も「原作を超えた作品」と評価しています。歴史上の人物や実際の出来事を基にしたエピソードが多数含まれており、時代背景にも配慮がなされています。

あらすじ

物語の舞台は、平安時代の日本。安倍晴明は幼少期、おのれの能力を活かし、師である賀茂忠行に認められます。彼は、式神を操り、怨霊を鎮める特異な力を持った陰陽師として知られるようになります。しかし、彼を忌避する公家や高僧も多く、孤独な部分も抱えていました。

唯一の友人である源博雅と共に、都での様々な事件を解決しながら成長していく晴明。しかし、有名な白比丘尼との出会いが彼の運命を大きく変えることになります。彼女との交わりが意図せぬ展開を引き起こし、後に蘆屋道満として知られる存在となります。道満との対決が待ち受ける中、晴明は都の平和を守るため、彼に立ち向かう決意をします。

主要キャラクター

• - 安倍晴明: 物語の主人公であり、卓越した陰陽師。長身で色白の外見が特徴。ポーカーフェイスでありながら、源博雅には心を開くキャラクターです。
• - 源博雅: 晴明の親友であり、貴族出身。独自の価値観を持ち、誠実かつ真面目な性格です。
• - 真葛: 晴明の妻で、見鬼の力を持つオリジナルキャラクター。知恵が豊かで晴明や博雅を支える存在です。

これらのキャラクターを通じて、友情や愛情、そして陰陽師としての使命感が描かれています。奇怪な事件が次々と起こる中で彼らがどのようにそれを乗り越えていくのかが見どころです。

人気の理由

この作品は、ただのファンタジーではなく、歴史を背景に持つため、多くの読者が共感できる要素を持っています。平安時代の文化や人々の生活を意識した描写が豊富に取り入れられ、絵の美しさも相まって、視覚的にも楽しめる作品となっています。登場人物の複雑な感情と成長が巧みに語られ、漫画としての深みが感じられるのも魅力の一つです。リメイクやオリジナルキャラクターの登場により、新たなストーリーの幅も広がっていて、色々な面から楽しむことができる点も高く評価されています。

全体として、『陰陽師』は人間ドラマ、ファンタジー要素、歴史的背景が見事に融合した作品であり、読者に深い印象を与えるのです。

もう一度検索