陳偉殷

陳偉殷（チェン・ウェイン）

陳偉殷（チェン・ウェイン、1985年7月21日生まれ）は、台湾の高雄市に生まれたプロ野球選手で、主に投手として知られています。彼は左投げ、右打ちのスタイルを持ち、台湾と日本、そしてメジャーリーグでのキャリアを展開しました。

経歴

プロ入り前

陳は高校時代に目覚ましい活躍を見せ、公式戦で22奪三振を記録。プロ入りに際してはメジャーリーグの複数球団からオファーを受けましたが、2003年に中日ドラゴンズへ入団しました。彼の登録名は「チェン」です。

中日時代

入団1年目の2004年は、6月に一軍に昇格したものの登板はありませんでしたが、アテネオリンピックの台湾代表にも選出されました。2005年4月には横浜ベイスターズ戦で一軍初登板を果たし、初勝利までの道のりは続きます。特に2009年は、防御率1.54で最優秀防御率を獲得し、クオリティ・スタート（QS）を19回記録するなど印象的な成績を残しました。この年、彼のストレートは自己最高の154km/hを記録しました。

オリオールズ時代

2012年にはボルチモア・オリオールズと契約し、アメリカでのキャリアがスタートしました。メジャーリーグ初登板は2012年4月で、その後は安定した成績を収めました。特に2014年には16勝を記録し、リーグ4位タイとなる成績を残しています。

マーリンズ時代

2016年にはマイアミ・マーリンズと契約。初めての開幕投手として挑戦しましたが、怪我の影響でシーズンを通して満足のいく成績は残せませんでした。2019年にはスプリングトレーニングで不振が続き、最終的にDFAとなる結果となりました。

千葉ロッテ時代と阪神時代

2020年9月には千葉ロッテマリーンズと契約し、日本球界に復帰。2021年には阪神タイガースとの契約を結び、さらなる挑戦を続けましたが、怪我の影響もあり思うような結果は得られませんでした。2022年には退団し、その後左肩の手術に踏み切りました。

投手としてのスタイル

陳はその豊富な投球スタイルで知られています。平均91.3mph（約146.9km/h）のストレートを武器に、スライダーやカーブ、チェンジアップを駆使します。特にストレートの被打率はセ・リーグでも最強の数字を記録するなど、安定感を誇っています。また、スイッチヒッターとしても知られていますが、MLBに移籍後は右打ち登録に戻しています。

人物

中日時代には同じ年代の選手たちとの友情を築き、日本語を積極的に学びました。多くの台湾ファンに愛され、野球を通じて文化をつなぐ存在として注目されています。彼の活躍は、台湾出身の選手にとって新たな道を切り開くきっかけとなりました。さらに、彼は馬主の資格も取得するなど、多彩な側面を持つ人物でもあります。今後のキャリアにも期待が寄せられています。

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